研究課題/領域番号 |
06J03302
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
登尾 正人 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 炭化珪素 / シリコンカーバイド / パワーデバイス / MOSFET / 界面準位密度 / チャネル移動度 / 窒化膜 / pチャネル / RESURF |
研究概要 |
横型高耐圧MOSFETは、高性能SiCパワーICを実現するためのキーデバイスである。本研究では、通常の横型MOSFETのドレイン領域近傍に低濃度のRESURF領域を形成することで、高耐圧化を実現した。このRESURF MOSFETでは、オフ時にRESURF領域を完全に空乏化することで高耐圧化できる。本研究では、n型RESURF領域にp型領域を埋め込むことでRESURF領域の空乏化を促進し、n型RESURF領域の高濃度化(すなわち低抵抗化)が可能となるダブルRESURF構造を採用した。作製したMOSFETでは、ダブルRESURF構造とすることで耐圧の低下を招くことなく、ドリフト抵抗を従来型のRESURF構造に比べ25%以下に低減することに成功した。また、ドリフト抵抗の温度依存性を測定したところ、ダブルRESURF構造では温度上昇に伴うドリフト抵抗の増加が抑制されることが分かった。これは、ダブルRESURF構造ではRESURF領域の濃度が高くなるため、(a)温度変化に伴う電子移動度の変化が小さいためと、(b)温度上昇に伴うRESURF領域のイオン化率が大きいためである。 デバイスのオン抵抗は主にドリフト抵抗とチャネル抵抗の和で表される。ダブルRESURF構造を用いることでドリフト抵抗を小さくすることに成功した結果、チャネル抵抗成分が増大した。そこで、更なる高性能化を目指すため、チャネル移動度(逆数がチャネル抵抗に比例)の高い4H-SiC(000-1)面上にダブルRESURF MOSFETを作製した。その結果、横型MOSFETで耐圧1580V、オン抵抗40mΩcm2という性能を実現した。この特性は、これまで報告のある横型MOSFETとして最高の特性であり、Siの物性値で決まる「Si limit」と比べても10倍以上優れた特性である。
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