研究課題/領域番号 |
06J03341
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
環境農学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊ヶ崎 健大 (2006, 2008) 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
伊ケ崎 健大 (2007) 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 西アフリカ・サヘル地域 / 風食 / 砂漠化 / 砂漠化対処技術 / 養分循環 / 風成物質 / 休閑地 / 耕地休閑システム / 風成物質の移動 / 粗大有機物 / 風成物質捕捉装置 / 休閑地の管理 / 休閑植生 |
研究概要 |
耕地内休閑システムの有用性の検証(3年目) 国際半乾燥熱帯作物研究所サヘルセンター(ニジェール共和国)の試験圃場および同国ファカラ地域の農家圃場で実施した耕地内休閑システムの有用性検証試験によって以下の成果を得た。 (1)休閑帯の風成物質捕捉能(風上から飛散してきた土壌の何割を捕捉できるか)は、年間では約75%である。 (2)休閑帯に捕捉された土壌粒子の量は約2000t/haで、粗大有機物の量は約5t/haであった。休閑帯に捕捉された土壌粒子の粒径は、耕作帯の表層土のそれに比べて細砂が有意に多く、逆にシルトと粘土は有意に少なかった。このことを反映して、耕作帯では地表面にクラスト(雨水の浸透を妨げる土壌皮殼)が形成されたが、休閑帯では捕捉された風成物質によりクラストが形成されず、作物生育初期の土壌含水率が増加した。 (3)捕捉された風成物質によって、休閑帯では土壌粒子により約1000kg/haの窒素(難分解性)が、また粗大有機物により約70kg/haの窒素(易分解性)が付加された。このうち粗大有機物は、土壌深度にもよるが一作期で20%〜40%分解した。また作物生育期間中の土壌呼吸量は、耕作帯では0.2tC/haであったのに対して風成物質が捕捉された休閑帯では0.7tC/haと有意に増加した。 (4)休閑明け1年目の区(昨年休閑帯を設けた場所)と休閑明け2年目の区(一昨年休閑帯を設けた場所)で収量を調べたところ、両区で収量に有意な差が見られなかったことから、休閑帯に捕捉された風成物質の効果は少なくとも2年間は持続することが示された。 以上の結果から、耕地内休閑システムでは風食の抑制だけでなく、捕捉された風成物質によって休閑帯では雨水の浸透が改善されるとともに、作物の利用可能な土壌養分量が増加するため、翌年耕作した際に作物収量が増加すると考えられる。
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