研究課題
特別研究員奨励費
初年度に単離したSfN8DT-1遺伝子を導入した形質転換酵母を用いて、植物エストロジェン活性を有する8_--d_-imethylallyln_-aringenin(8DN)の微生物生産を試みた。酵母培地中にナリンゲニンを添加し培養後、酵母及び培地を別々に回収・抽出した。LC/MS分析の結果、酵母菌体からは8DNは検出されず、培地中から8DNが検出された。この結果より、酵母内在性のDMAPPをプレニルドナーとして添加基質のナリンゲニンがSfN8DT-1によりプレニル化され、生産された8DNは培地中に放出されていることを示した。次に、クララからSfN8DT-1とは基質特異性の異なるプレニル化酵素遺伝子の取得を試みた。クララ培養細胞から新たに単離した9種のフラボノイドプレニル化酵素候補遺伝子を酵母にて発現させ組換え酵素を調製し、酵素活性測定を行ったところ、SfN8DT-1とは基質特異性の異なる酵素をコードするcDNAを二種類見出した。一つ目は、カルコン骨格を有するisoliquiritigeninをプレニル化する活性を有していた。二つ目は、イソフラボン骨格を有するgenisteinにジメチルアリル基を転移する活性を有していたことから、g_-enistein 6_--d_-imethylallylt_-ransferase(SfG6DT)と命名した。SfG6DTは5位に水酸基を有するイソフラボン骨格を特異的に基質にし、他のフラボノイド骨格を持つものは一切基質にならないことが分かった。異なるフラボノイド骨格を基質にする二種類のプレニル化酵素遺伝子、SfN8DT-1とSfG6DTのキメラ酵素(計10種類)を作成し、フラボノイド基質認識機構の解明を目指した。キメラ酵素の酵素活性測定より、アミノ酸一次配列上でフラボノイド基質を決定する部位が、5番目の膜貫通α-ヘリックス領域にあることが示唆された。今後、他の植物種からも類似遺伝子が単離され、遺伝子配列とその酵素機能の情報が蓄積することで、基質認識機構の更なる解明が進むことが期待される。
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