研究課題/領域番号 |
06J03451
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
認知科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 真也 京都大学, 霊長類研究所, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | チンパンジー / 利他性 / 互恵性 / 協力行動 / 他者理解 / 社会的知性 / 比較認知科学 / 霊長類 / 利他行動 / 協力 |
研究概要 |
今年度は採用最終年度であり、チンパンジーを対象に互恵性・利他性および他者理解にかんする実験研究をおこなうとともに、論文執筆作業をおこなった。実験は、母子3組を含むチンパンジー9個体を対象とし、2個体のチンパンジーを2連の実験ブースに連れてきて実験をおこなった。今年度は、道具の受渡し場面を新たに設定した。片方のブースには食物を獲得するのに道具(ステッキかストロー)が必要な場面を設定し、もう片方のブースには道具を供給した。このような場面でチンパンジーが道具を相手に利他的に渡すかどうか検討した。その結果、チンパンジーの利他行動の特徴として、1)食物より道具を渡す利他行動のほうが多くみられること、2)自発的には稀であるが、相手からの要求に応じて利他行動を示すこと、3)相手からの見返りがなくても、要求されれば応じること、が示唆された。また、7つの道具の中から相手が必要としている道具を選んで渡したことから、相手の置かれている状況に応じて利他行動を変化させていることも示唆された。このような他者理解に基づく柔軟な利他行動の報告はヒト以外ではこれまでに皆無に等しい。ヒトの利他性の進化を考えるうえで新たな視点を提示した。これらの研究成果は、国際人間行動進化学会、国際霊長類学会、日本霊長類学会、日本動物心理学会、日本心理学会等、多数の学会・研究会にて発表した。執筆した論文が英文学術雑誌Journal of Comparative PsychologyとInteraction Studiesに採録決定され、ほかに2本が国際学術雑誌に査読中である。また、2005年にギニア・ボッソウ村で発見したチンパンジーの樹上でのアリ釣り行動についての論文が、国際学術雑誌American Journal of Primatologyに掲載された。
|