研究課題/領域番号 |
06J03829
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
工学基礎
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研究機関 | 岩手大学 (2007) 筑波大学 (2006) |
研究代表者 |
丹下 将克 岩手大学, 工学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 銅酸化物高温超伝導体 / 微細結晶 / 臨界電流密度 / ピーク効果 / サイズ効果 / 弱磁場環境 / 結晶成長制御 / ウィスカー / 表面バリヤ |
研究概要 |
本研究では、特異な性質を示すウィスカー結晶が研究対象である。 1.高温超伝導体おいて、渦糸(量子化磁束)に対するバルクピンニング(結晶欠陥によるピン止め)の効果が寄与して、磁場の増加と共に臨界電流密度(Jc)が上昇してピークに達するというピーク効果が観測される。そして、Jcのピークが現れる磁場をピーク磁場(Hpeak)と呼び、そのHpeakは数100 Oe以上である。しかし、本研究者らがBi2Sr2CaCu2O8+δ(Bi-2212)ウィスカーで発見した弱磁場環境下でのJcのピークは、高温領域において100 Oe以下の磁場で起こる。この領域は、バルクピンニングの効果が渦糸に対して優位に働く温度・磁場領域とは大きく異なる。本研究では、異なる試料幅をもつウィスカーにおいてピーク効果の比較を行ってきた。その結果、Hpeakの値が試料幅に依存して系統的に変化し、Hpeakの値を予想できることが分かった。この結果は、表面バリヤの効果だけでなく、微小な試料サイズによる渦糸数の制限がピーク効果を生んでいることを示唆している。 2.Bi-2212ウィスカーの成長制御に関して、本研究者らは、結晶成長のための熱処理を行う前に、前駆体であるBi-2212ペレット(基板)に対して部分的にBi2O3を蒸着することによって、基板の指定した領域にウィスカーを選択的に育成できることを報告した。本研究では、成長の種としてBi2O3微粒子をペレット上に分散させた後で、結晶成長のための熱処理を行って成長制御を試みた。Bi2O3微粒子は均一沈殿法である尿素法によって作製し、その後、Bi2O3微粒子を基板に分散させて熱処理を行った。しかし、ウィスカーは成長しなかった。この結果は装置上の問題(電気炉の温調器のPID値の変更など)が主な要因であり、微粒子分散の影響が結晶成長に直接反映されなかったことが、現在分かっている。
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