研究課題/領域番号 |
06J03920
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
川口 敦史 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | インフルエンザウイルス / RNAポリメラーゼ / 宿主因子 / 試験管内RNA合成系 / MCM |
研究概要 |
これまでのインフルエンザウイルスに関する生化学的解析から、ウイルス遺伝子の転写およびウイルスゲノムの複製には、宿主因子が必須であることが明らかにされた。特に、ウイルスゲノムの複製反応は、宿主因子への依存性が高く、試験管内RNA合成系において、ウイルス粒子より調製されたウイルスRNAポリメラーゼ複合体のみでは、ウイルスゲノムの複製反応は観察されない。また、子孫ウイルス粒子の産生には、効率の良いウイルスゲノム複製が必須であり、インフルエンザウイルス感染に対して非許容な細胞では、ウイルスゲノム複製量の低下が観察される。しかし、ウイルスゲノムの複製機構に関しては、遺伝学を用いた報告があるのみであり、複製反応の分子機構および細胞特異性に関しては未だ明らかにされていない。そこで本研究では、インフルエンザウイルスゲノム複製の分子機構およびその反応を支える宿主因子によるインフルエンザウイルスの細胞特異性および宿主城の決定機構を明らかにすることを目的とした。 昨年度までに、インフルエンザウイルスのゲノム複製を促進する宿主因子、Influenza virus REplication Factor-1 (IREF-1)の同定に成功した。今年度、質量分析法より、IREF-1はMinichromosome mainenance (MCM)2、3、4、5、6、7よりなるヘテロ6量体であることが明らかになった。MCM複合体は、DNA複製のライセンシング因子であり、DNA複製開始反応を制御するヘリカーゼであることが報告されている。RNAi法を用いて、MCMの発現量を低下させた培養細胞では、ウイルスゲノム複製活性が低下した。さらに、MCM複合体が新規合成鎖とウイルスRNAポリメラーゼに結合することで、RNA合成伸長反応複合体が安定化され、その結果、ウイルスRNAポリメラーゼのProcessivityが促進されることを明らかにした。また、今後は、細胞種間、組織間、および宿主間でのMCM複合体の発現量およびその活性の違いを検討し、MCM複合体によって規定される細胞特異性、組織特異性および宿主域についても解析を行っていく予定である。
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