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清朝のチベット仏教政策史研究-清朝領内におけるチベット仏教管理制度の成立

研究課題

研究課題/領域番号 06J03933
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 東洋史
研究機関筑波大学

研究代表者

栗本 陽子  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2006 – 2008
研究課題ステータス 完了 (2008年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードチャンキャ三世 / 雍正朝 / アムド / 扎薩克喇嘛制度 / チャンキャ二世 / 清朝 / 康煕朝 / 清朝史 / チベット仏教政策
研究概要

雍正2年(1724)に来朝したチャンキャ三世は,主に乾隆年間に清朝のチベット仏教政策を牽引し乾隆帝の最も信頼するチベット仏教政策顧問として大きな足跡を残した人物として有名である。その来朝の経緯を明らかにするとともに,彼が招請され,前世の地位を継承したことが後の清朝のチベット仏教管理制度である扎薩克喇嘛制度にもたらした変化を以下のように具体的に明らかにした。
(1)チャンキャ二世の時代から清朝はチャンキャを重用していたが,康煕年間にはチャンキャと同じアムドのグンルン寺系の転生僧に対する重視が始まったに過ぎず,チャンキャの地位は定まっていなかった。雍正年間にチャンキャ自身の転生者が来朝してその地位を継承したことで,初めて後代に受け継がれる慣例ができた。(2)チャンキャ三世招請が決定されたのは清朝による青海平定の最中で,雍正2年正月のグンルン寺との交戦後であった。当初の予定になかった幼いチャンキャ三世の招請によって,清朝とアムドの寺院勢力の間の紐帯となりうるチャンキャ三世の存在感が高まり,その後双方によってチャンキャと清廷の因縁が随所で強調され,利用されていった。(3)雍正12年にチャンキャ三世が大国師を継承するにあたり,清朝とアムド寺院勢力双方の思惑により,チャンキャ縁の複数の転生僧が禅師としてその脇を固めることとなった。これにより,札薩克喇嘛制度がチャンキャ体制ともいうべき形へと整えられていく。チャンキャ三世が前世の地位を継承したことで,このチャンキャ体制も転生相続制度によって代々継承されていくシステムができていった。雍正年間のこれらの決定は,その後のチャンキャの地位を安定的且つ絶対的なものとし,またそれまで方向が定まっていなかった清初からの扎薩克喇嘛制度そのものを大きく転換させるなど,後世に大きな影響を及ぼすものであった。

報告書

(3件)
  • 2008 実績報告書
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 雍正年間の清朝によるチャンキャ三世招請の経緯とその意義2009

    • 著者名/発表者名
      栗本陽子
    • 雑誌名

      史境 58(印刷中)

    • NAID

      40016649334

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 太宗〜世祖期の清朝とチベット仏教僧-扎薩克喇嘛制度をてがかりに2007

    • 著者名/発表者名
      栗本 陽子
    • 雑誌名

      社会文化史学 49号

      ページ: 41-59

    • NAID

      40015502943

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 康煕朝におけるチャンキャ二世ガワン=ロサン=チューデンの北京招請

    • 著者名/発表者名
      栗本 陽子
    • 雑誌名

      内陸アジア史研究 23号(印刷中)

    • NAID

      110009833335

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 清朝によるチャンキャ三世招請の経緯とその意義2008

    • 著者名/発表者名
      栗本陽子
    • 学会等名
      歴史・人類学会例会
    • 発表場所
      筑波大学人文・社会科学研究棟A208
    • 年月日
      2008-06-27
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2024-03-26  

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