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「ドイツ文筆家保護連盟」の活動状況について

研究課題

研究課題/領域番号 06J04162
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 ヨーロッパ語系文学
研究機関北海道大学

研究代表者

真貝 恒平  北海道大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード文筆家の職業団体史 / 亡命知識人 / 反ファシズム / ナショナリズム / 文筆家の職業団体 / 文学の商業性 / 文筆家労働組合 / マス・メディア / 出版産業 / 検閲 / 亡命文学
研究概要

今年度の研究は、前年度までの研であった「ドイツ文筆家保護連盟」(Schutzverband Deutscher Schriftsteller:以下SDS)の設立から解体までの組織変遷を、近代以降のドイツの文筆業をめぐる諸問題と、世紀転換期からワイマール共和国期における全般的な社会運動との関連を再度ふまえながら概観し、組織解体直前の動向と、1933年以降、フランスへの亡命を果たしたSDSの活動について重点的に調査した。
SDSは、ナチス権力掌握前夜、つまり、1920年代後半から30年代にかけて度重なる内部崩壊の危機にさらされ、それまで超党派的組織としてドイツ文筆業界に君臨してきた組織力に翳りが見え始め、組織の斜陽化の一途をたどることとなる。SDSは、組織内に生まれた政治イデオロギーにより、文筆業の代表機関としての本来の機能を失ってしまう。1933年6月9日に設立されたナチス国家直属の文筆業による情報プロパガンダ機関である「ドイツ文筆家帝国連盟」(Reichsverband Deutscher Schriftsteller:以下RDS)は、それまでドイツで活動展開していた文筆家団体を次々とその傘下に入れ、SDSもついに同年7月31日、RDSへ吸収合併され、SDSは、1909年から続いたドイツでの活動に幕を下ろしたのであった。
SDSが組織の終焉を迎えた後、フランスへ亡命を果たした一部のSDS会員により、組織解体から僅か三カ月後の1933年10月31日、パリで「亡命におけるSDS」(SDS im Exil)が結成される。この組織は、1935年6月21日〜25日までの五日間、パリで開催された反戦・反ファシズムと新しい文化創造を目指し、世界38カ国から約250名の作家、知識人が参加した「第一回パリ国際作家大会」に参加し、大会四日目にドイツ亡命作家団体代表として共同声明を発表している。このように、SDS亡き後、その理念を継承した「亡命におけるSDS」は、ドイツの反ファシズム亡命文学者、知識人の一大拠点として、戦後まで持続的な活動をパリで展開したのであった。
今後の研究の展望として、パリ亡命期のSDSの活動を追っていくとともに、SDSが組織解体へと至るプロセスをより詳細に追っていき、ナチス政権による文筆業の統合と、亡命作家の活動を比較しながら1933年以降の国内外の文筆業を包括的に考察していきたい。

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ドイツ文筆家保護連盟(Schutzverband Deutscher Schriftsteller)活動史(1909-1933)-文学研究における社会史的試み-2006

    • 著者名/発表者名
      真貝 恒平
    • 雑誌名

      北海道大学ドイツ語学・文学研究会 独語独文学研究年報 33

      ページ: 22-47

    • NAID

      120000966020

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [学会発表] 「ドイツ文筆家保護連盟」活動史の概観と亡命後の活動2007

    • 著者名/発表者名
      真貝 恒平
    • 学会等名
      北海道ドイツ文学会
    • 発表場所
      北海道工業大学(札幌市)
    • 年月日
      2007-07-14
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2024-03-26  

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