研究課題
特別研究員奨励費
マイコパラサイトLambertella corni-marisは、Lambertella sp.1346と異なり通常の培養ではホスト菌に対する抗菌物質lambertellol類をほとんど生産しない。両パラサイトL.sp.1346とL.corni-marisのそれらの生産性の違いについて検討をしてみたところ、L.sp.1346は培養開始後速やかに培地が酸性に傾くと言うことが判明した。このことは、酸の生産性の違いが生産性に違いをもたらしていると考察している。上記の実験の過程において、パラサイト菌の代謝物と培養条件についても検討を種々行った。その結果パラサイト菌L.sp.1346を低温にて静置培養することにより、これまでに生産を見いだすことのできなかった代謝物、Sucro-Neolambertellinを単離することに成功した。このものは、neolambertellinにglucoseとhexodiuloseが結合した配糖体である。hexodiulose部位の絶対立体化学がRSSR配置であった場合、スクロースの5位が酸化された形となるが、通常のNOE相関ではRSSR及びSRRSのいずれか決定するには至らなかった。このhexodiulose部位の絶対立体化学は、Distance-GeometryとRDC法を組み合わせることにより決定することに成功した。これは、RDCを用いて低分子有機化合物の絶対立体化学を決定した初の例である。
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