研究課題/領域番号 |
06J05392
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
日本文学
|
研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
今井 上 青山学院大学, 文学部, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 日本文学 / 平安朝文学 / 源氏物語 / 和漢比較文学 / 和歌文学 / 若菜巻 / 和歌 / 延喜天暦准拠説 / 一条兼良 / 夕顔巻 |
研究概要 |
本年度は、源氏物語を中心とした平安朝文学が、いかに中国文学・文化を独自のかたちに変容しつつ、受容したかという視点から主に研究を進め、その成果を論文・学会発表として公にした。共著『源氏物語と和歌』においては、源氏物語の横笛巻が、文選「思旧賦」を踏まえつつ、物語世界を構築していることを明らかにした。文選が、日本文学・文化に与えた影響についてはひろく知られているものの、具体的にいかなるかたちで、それが受容され、一般化していたかということについては、なお明らかでない点が多い。当該書では、平安朝の和歌や漢詩文を調査することを通じて、その問題を明らかにすると同時に、和漢比較文学的研究が今後どのように進められてゆくべきかを論じた。また「闇に惑われぬ光源氏と「不致仕」の思想」(単著『源氏物語表現の理路』所収)においては、白居易の詩文に歌われた不致仕の思想が、源氏物語のうちに流れ込み、さらには徒然草などの中世文学にも継承されてゆく様を、日本文化・思想を広く展望しつつ明らかにした。以上二つの著書を通じて、白氏文集と文選の受容については、今後、どちらか一方というのではなく、相互補完的なものとして、進められてゆくべきことを示した。なお、本年度に公刊した『源氏物語表現の理路』は、研究代表者(今井上)のこれまでの研究成果を集成した研究書である。 また、源氏物語の研究は、現在、一つの低迷期にあると評されることがあるが、今後どのような方向に研究を進めてゆくべきか、残された問題は何か、その指針を学会発表において示し、注釈的課題と、和歌研究の重要性を訴えた。その成果に、さらに加筆し、論文「『源氏物語』の注釈的課題と和歌-「源氏物語研究の現状と展望」によせて」を発表した。
|