研究課題/領域番号 |
06J05539
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生体生命情報学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
伊藤 浩史 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 生物時計 / 概日時計 / シアノバクテリア / Kaicリン酸化リズム / 同期 / 温度同調 / 試験管内再構成系 / 単量体交換 / KaiCリン酸化リズム |
研究概要 |
シアノバクテリアの概日時計試験管内再構成系に関して、InSilica再構成を目指して生化学的、理論的検討を行った。以下の5つの結果を得た。1)シアノバクテリア概日時計の中心振動体はkaiCリン酸化リズムであり、試験管内で再構成できると2005年に報告した。このリズムは溶媒内のATP濃度を調節してやる事により従来報告されているよりも長期間(10日間)にわたって振動することを発見した。2)位相の異なるKaiCリン酸化リズム試験管内再構成系は試験内の溶液の混合によっても、リズムが消失する事無く急速に同期した。また、同期に重要な位相(StrongPhase)が存在しその位相は他の位相のリズムを引き込み同期させることがわかった。3)位相の引き込みにはKaiCタンパク質間のコミュニケーションが重要であるが、このコミュニケーションを担っているのはKaiC単量体であり、単量体の交換反応(モノマーシャッフリング)がStrongPhaseで起こっている事が明らかになった。4)KaiCリン酸化リズムが概日時計としての機能をもっているのならば、外界からの周期的な刺激に同調する事が重要である。温度変化のサイクルに対してKaiCリン酸化リズムが同調可能である事を示した。5)温度サイクルへの同調現象に対して、周期の温度補償性(温度不感受性)とどのように両立させる事ができるのかという問題に対して、温度変化に対して位相変化が起こるというモデルを提出した。計算機上におけるモデル化により、同調範囲の予測を行い実験と理論の比較を行った。 以上の結果は、従来生物学の一分野として、生体・細胞を用いて観察されてきた体内時計の研究を試験管内の少数の種類による分子からなる反応に縮約し解析する事で、より物理的に理解をしようとする試みであり画期的である。
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