研究課題/領域番号 |
06J05877
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
藤田 尚志 法政大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ベルクソン / 身体 / 生命 / フランス唯心論 / 生気論 / 身体論 / フランス哲学・思想 / 目的論 / 技術論 / 比喩 / リズム論 / 物質性 / フランス近現代思想 / リズム / 場所 / 情動 |
研究概要 |
本年度は、三年間にわたる研究プロジェクト「フランス近現代思想における身体論(科学・芸術・政治との関連から見たその展開)」の最終年度として、フランス近現代思想における身体論の一つの隠れた水脈としてのベルクソン哲学を、20世紀のさまざまな思想潮流における身体論と比較することを主目標として研究を行ない、共著を3つ、論文や報告、書評を3つ執筆し、発表を6つ行なった。 まず、全体の見取り図となるのは、10月の国際シンポジウムにてフランス語で行われた発表「ドゥルーズかベルクソンか。何を生気論と認めるか」である(発表2)。ここで、ベルクソンの身体論がそこに棹差す(非)有機的な生気論の伝統を、ベルクソンの後継者と目されるドゥルーズとの差異を最大限に強調しつつ指摘することができた。次に各論に移る。本研究を構成する三つの柱である科学・芸術・政治的観点によって本年の業績を分類しつつ記す。1.科学的観点。ベルクソンの生気論的な身体論は、独自の物質論を孕んでいる。20世紀フランスの代表的な思想家の一人エマニュエル・レヴィナスの物質論との対比を通じてその輪郭を浮き彫りにすることを目指した論考は、12月にフランスの権威ある出版社PUFから刊行された『ベルクソン年鑑』第4巻に掲載された(著書3)。2.芸術的観点。ベルクソンの生気論的な身体論は、独自のリズム論ないし数論を孕んだ場所論をもつ。カントの図式論との対比を通してその輪郭を浮き彫りにすることを目指した論考は、6月にブラジルのサンカルロス連邦大学で行われた国際シンポジウムで発表された(発表4)。3.政治的観点。ベルクソンの生気論的な身体論は、独自の言語観・隠喩理論を持ち、政治的帰結を伴う。『暴力論』で有名なフランスの思想家ジョルジュ・ソレルの政治・経済思想から垣間見える言語論との比較を行った論考は、5月に日本で行われた学会で発表(発表5)、2009年3月に学会誌に掲載された(論文1)。
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