研究課題/領域番号 |
06J06011
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物物理・化学物理
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 (2007) 慶應義塾大学 (2006) |
研究代表者 |
関口 康爾 独立行政法人理化学研究所, 量子ナノ磁性研究チーム, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 量子干渉効果 / ナノ磁性 / 巨大磁気抵抗効果 / 人工多層膜 |
研究概要 |
量子干渉効果における電子スピンの影響に関して知見を得るため、複合構造ナノリング(三層構造Ni_<81>Fe_<19>/Cu/Ni_<81>Fe_<19>)におけるAharonov-Bohm効果を研究した。Aharonov-Bohm振動の振る舞いを磁化反転過程と対比させて調べ、金属強磁性体と電子スピンの相関を明らかにした。研究実績の概要は以下の通りである。 1. 金属強磁性体を有する複合構造ナノリングにおいて、二つの強磁性層の相対磁化配向が平行磁化配置になったとき磁気抵抗効果の振動現象(Aharonov-Bohm効果)を観測した。一方、強磁性層が反平行磁化配置のときには振動現象は観測されなかった。巨大磁気抵抗効果の起源である電子スピンの反転散乱が量子効果を抑制することを実験的に示した。 2. Aharonov-Bohm振動の振動振幅と振動数が金属強磁性体の磁化方向と電流方向のなす角度に依存していた。角度が大きくなるにつれて、振動振幅が大きくなり振動数が小さくなることがわかった。これは金属強磁性体に特有のスピン依存伝導(異方性磁気抵抗効果)が量子効果に寄与し、電子スピンが強磁性層から量子位相を獲得した可能性を示す。 3. 複合構造における非磁性層Cu膜厚を増加させたところ、AB振動の振幅が増加した。この膜厚依存性の測定により、Aharonov-Bohm効果が主に非磁性層を通る電子スピンによって担われ、電子スピンの位相が金属強磁性体によって変調を受けることを示した。
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