研究課題
特別研究員奨励費
高分子型超分子の会合・解離挙動がその粘弾性・ナノ相分離構造に与える影響を調べるこを目的とし、まずその評価に向けた試料の調製を行った。具体的に行った研究内容として高分子型超分子のビルディングブロック作りを行った。ピリジン基とフェノール基は相補的な水素結合を生じることで知られている。そこで末端ユニットとしてポリ(2-ビニルピリジン)(P2VP)を用い、これをポリアクリル酸エチル(PEA)、につないだP2VP-PEA-P2VPトリブロック共重合体を合成した。一方で比較的単分散なポリ4-ヒドロキシスチレン)(PHS)ホモポリマーも合成した。イオン液体.(Ethyl methylimidazolium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide)でP2VP-PEA-P2VPとPHSを5:2の割合(重量分率)でブレンドした。調製された溶液は液状を示さず、常温でゲル状固体が得られた。イオン液体中で高分子型超分子が得られていること確認するためにFT-IRで水素結合部位について調査した。その結果比較的高温の200℃では水酸基がフリーな状態で存在するのに対し、常温に近い25℃、50℃ではピリジン基と水素結合している水酸基が確認された。温度を変化させて粘弾性測定を行ったところ、低温(常温)ではゲル状固体であるのに対し、140℃を越える高温では液体状態を示すことが確認された。ゆえに高分子型超分子を調製し、水素結合の会合・解離を制御することによって新規超分子イオンゲルを創製することができた。上記に関して現時点で論文を一報投稿中である。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)
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