研究概要 |
研究員が以前に行った解析から、HD-PTPがAlixと同様に、ESCRT関連因子を含め、様々なエンドサイトーシス関連蛋白質と結合することが明らかとなった(Ichioka et al.,Arch.Biochein.Biophys.,(2007)457,142-149)。そこで本研究では、HD-PTPおよびAlixのエンドソームにおける局在に着目し、ヒト培養細胞株(HeLa細胞)を用いて、共焦点レーザー顕微鏡による細胞内局在観察を行った。固定細胞を用いた免疫蛍光染色法の結果から、単量体型緑色蛍光蛋白質(mGFP)融合蛋白質として発現させたHD-PTP(mGFP-HD-PTP)が、細胞内において、初期エンドソームおよびMVB(multivesicular body)に局在することが明らかとなった。また生細胞を用いたtime-lapse観察において、エンドソームに取り込まれた蛍光標識EGF(上皮由来成長因子)とmGFP-HD-PTPまたはAlix-mGFPの、一過的な共局在が観察された。これらの細胞内局在観察および蛋白質間相互作用解析の結果から、HD-PTPおよびAlixが、エンドソーム膜上において様々な蛋白質と結合することで、エンドサイトーシス経路の制御に関与していることが示唆された。本研究結果については、ESCRTに関する英国生化学会特別集会Biochemical Society Focused Meeting(ESCRTs,2008)において、発表を行った。
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