研究課題
特別研究員奨励費
本研究は、人間にとってより直観的で理解し易い自己説明型ソフトウェアコンポーネントであるアルゴリズムサイバーフィルム(以下サイバーフィルム)を用いた、プログラミングの非専門家を含む多くの人々が、計算処理や情報資源の生成に携わることを可能とする次世代マルチメディアプログラミング環境の開発に関するものである。本年度は、主にサイバーフィルムライブラリの拡張と大規模なユーザビリティテストを実施した。ライブラリの拡張では、ネットワークフローや木構造に関するアルゴリズムを新たに追加した。また、ユーザビリティテストは学部3年86名を被験者として、サイバーフィルムが持つ重要な要素についてプログラムの理解し易さを多角的に評価し、フィードバックを得た。サイバーアィルムで使われているビジュアルシンボルやその構造は、アルゴリズムの動的な特徴の理解を容易にし、ある種のアルゴリズムが記述されたプログラム全体の理解のし易さでは既存の言語よりも優れているという結果を得た。また、コンポーネントのインタフェースを定義する言語開発を含む本ビジュアル言語の拡張に関連し、形式的な言語仕様提供の重要性を確認した。従って計画には記載されていなかったが、言語の一貫性を確認し第三者に言語仕様書を提供するため、ローマ大学との共同研究の中でサイバーフィルム言語をメタモデルとOCLにより定義し、本ビジュアル言語の構文・意味論を形式的に記述するフレームワークを確立した。検索システムについては計画通りに実装することが困難だったが、本ライブラリにはDB化するための十分なコンポーネントが追加され、それらの属性を定義できる状態にある。また、コンポーネントのインタフェースを定義するビジュアル言語の構想も確立しつつあるので、近い将来本マルチメディアプログラミング環境におけるソフトウェアコンポーネントの検索システムの実現が期待できる。
すべて 2007 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
Proceedings of 6th International Conference on New Software Methodologies, Tools, and Techniques, IOS Press
ページ: 427-447
Journal of Visual Languages & Computing (印刷中)