研究課題/領域番号 |
06J08049
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
発生生物学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
畠山 淳 熊本大学, 発生医学研究センター, 特別研究員(PD) (90404350)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | Notch / 神経上皮 / 放射状グリア / 接着帯 / シグナル伝達 / 境界細胞 / 神経分化 / Delta / 細胞接着帯 / 繊毛 |
研究概要 |
本研究は、神経上皮細胞・放射状グリアの微細構造に着目し、微細構造の神経発生における役割を明らかにすることを目的とする。 神経幹細胞を維持しながら一定の割合でニューロンを産生するのに、Notchシグナルによる側方抑制が重要であると考えられている。申請者は、予備実験や他の状況証拠より、接着帯はDelta-Notchのシグナル伝達の場ではないかという仮説に至った。 前年までに仮説を示唆する多くのデータを得ているが、さらにDeltaのタンパク質の分布について詳細に検討した。その結果、膜上に出ているDeltaタンパク質は神経幹細胞のapical側に多いことがわかった。また、この研究の過程において、今まで報告されている現象とは異なるニューロン誕生の際の移動様式を発見しており、幼弱なニューロンの多くは、突起を脳室面に接触させたまま上層へと移動していることが明らかとなった。この新たな知見は、次のような意義があると考えられる。上述のように、神経幹細胞のapical面側にある接着帯はNotchとそのリガンドDeltaが効率よく接触するのに必要であることが示唆されている。どれくらいの時間、ニューロンが接着帯を維持した状態でいるかは、周囲のNotchシグナル活性化の度合いに反映され、その結果、ニューロン産生の頻度に影響することが考えられる。興味深いことに、幼弱なニューロンの突起がapical面と接触している頻度・様子は、発生のステージや領域により異なることを発見した。この違いにより、領域やステージによる分化頻度の違いが生み出されているかもしれない。これは、新しい概念である。 また、我々は、神経発生過程における神経上皮の一部である境界細胞にも着目している。我々が発見した境界細胞の形態的特徴を指標に、新たな境界を発見した。この発見は神経発生におけるパターニングの理解をさらに深めるものである。
|