研究課題/領域番号 |
06J08288
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
教育社会学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
牧 貴愛 広島大学, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | タイ / 初等中等教員 / 質的向上 / 国際情報交換 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
本研究の目的は、タイにおける初等中等教員の質的向上のための種々の施策の構造と特質を歴史的・比較的観点から明らかにすることを通して、タイ教員の社会的役割とその民族的特質を解明することであり、本年度は、次の活動を展開した。 第一に、タイ初等中等教員をめぐる人事行政改革の意義と課題について、関連資料の分析から制度・施策の構造と特徴を解明した。この成果は、日本比較教育学会第43回大会において口頭発表を行い、加筆修正を加えて、学術論文としてまとめた。 第二に、昨年度から継続して分析・考察を行ってきたタイにおける初等中等教員の質的向上のための種々の施策、すなわち、校内研修プロジェクト、人事制度改革、外部評価制度の3つの施策に対する現職教員の意識を明らかにするために、2007年8月6日から9月12日までの38日間、バンコク、中北部、東北部の初等・中等学校を訪問し、現職教員への聞き取り調査、関連資料の収集からなるフィールドワークを実施した。 昨年度、今年度の2年間の研究活動から得られた知見を要約すると次のようになる。タイにおける初等中等教員の質的向上施策は、伝統的・民族的な「聖職者としての教員」理念を維持しつつ、国際的な「専門職としての教員」という理念に即した構造を有していること。具体的には、免許制度を創設することで、教員の身分や適格性を保障するとともに、校内研修プロジェクトによって職能開発を促し、さらに、その成果を教員個人、学校全体という2つの面から評価し、望ましい成果の見られた教員個人については、従来に比べはるかに高給が与えられるという好循環を生み出すシステムとして整備されたことである。残された課題としては、(1)もっぱら、書類に盛り込まれた内容に依存することなく、教員の学習指導実態により密着し、同時に、(2)タイ社会の特質とも調和するような評価手法・仕組みを開発することである。
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