研究課題/領域番号 |
06J08729
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森田 良成 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 西ティモール / 東インドネシア / 希望 / コンフリクト / アトニ・メト / 市場経済による包摂 / 出稼ぎ / 廃品 / 周辺世界 / 貧困 / 廃品回収 / 資本主義への包摂 / ティモール |
研究概要 |
インドネシア、西ティモールの都市クパンに出稼ぎにやってきて、廃品回収業に従事している農民たちの生活について、研究を進めた。互酬性に重きをおく自給度の高い村の経済と、都市における市場経済という両者が、農民たちの耐久力によって力ずくで架橋されている。2つの経済の接合の様態について明らかにすることが本研究の目的であった。 農民たちは都市で、すでに商品としての価値を失った廃品を回収することによって現金を得ている。こうして得た現金は、彼らの村での生活が安定を保ちつつじょじょに豊かになってゆくことを可能にしている。ただし同時に彼らの営みは、市場経済の理に照らせば豊かな未来を明らかに遠ざけることにもなっている。彼らが出稼ぎ労働によってお金を得ることと、その手に入れたお金を村で使用することとのあいだで、何らかのねじれが発生している。 搾取にさらされる周辺世界という世界システム論、「貧困」の社会的構築性や相対性の指摘に留まる議論、開発援助によって「貧困問題」を解消していくことにのみ専心する議論とは異なり、本研究の意義は、「貧しさ」をより個別的・具体的にとらえながらも「貧しさ」という概念そのものの再考を試みることであった。単なる貧困研究・周辺世界研究に留まらず、町-村、市場経済-互酬性・自給経済という単純な二項対立ではとらえきれない2つの世界の接合におけるねじれについて明らかにし、「希望」についての議論へとつなげることができた。
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