研究課題
特別研究員奨励費
超弦理論は、ゲージ理論と重力理論の間の対応関係を示唆する。その対応関係として、五次元超対称ゲージ理論とトーリックCalabi-Yau多様体の関係が知られている。そこでゲージ/重力対応の研究の前段階として、ゲージ理論に於ける観測量について研究をした。具体的には五次元超対称ゲージ理論の観測量であるWilson loopの相関関数を厳密に計算した。用いる方法は位相的場の理論と局所化定理である。Wilson loopの相関関数の計算には、理論を位相的場の理論にすることができる。さらにオメガ背景場と呼ばれる背景場中で理論を考えることにより、理論に同変コホモロジーの手法を持ち込むことができる。同変コホモロジーでは局所化の方法が使え、Wilson loopの相関関係を厳密に計算することができる。さらに五次元超対称ゲージ理論は、ターゲットをインスタントンモジュライ空間とする一次元の超対称シグマ模型に落とすことができることが知られていた。今回私はその手法をオメガ背景場中で行い、ターゲットのベクトル場と結合したシグマ模型になる事を示した。さらにその簡約はWilson loopの相関関数に於いても行うことができる。私は一次元超対称シグマ模型に於いて、Wilson loopがターゲットのゲージ場との結合項になることを示した。一次元超対称シグマ模型とAtiyah-Singerの指数定理の関係を組み合わせる事により、Wilson loopがインスタントンモジュライ上のゲージ場と結合したディラック作用素の指数で与えられる事も示した。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (1件)
Progress of Theoretical Physics 116, 6
ページ: 1131-1131