研究課題/領域番号 |
06J08881
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
阪野 塁 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 量子ドット / 輸送 / 熱起電力 / 電子相関 / ナノサイズ系 / 軌道自由度 / メゾスコピック / 近藤効果 |
研究概要 |
本研究では、ナノサイズの電子系で様々に形成される電子状態の軌道自由度によって起こる電子相関現象の解明を目的とし、研究を行った。またさらに、これらの電子相関によるナノサイズ系の熱電特性を利用したナノデバイスに関しても研究を行った。 単一量子ドット系の軌道、スピン、電荷による近藤効果と、それによって起こる系の熱電特性の有限温度での特性をダイヤグラム近似法を用いて、また、低温では厳密解や射影演算子による変分法を用いることで解析を行った。これにより量子ドット系の電子相関と熱起電力の関係を明らかにし、さらに性能指数などを導出して議論を行うことで、量子ドット系の熱電バイアスとしての可能性を議論した。そこで、T字結合型量子ドットなどのように量子ドットの配置構造を工夫し量子干渉効果を利用することで強い熱起電力が得られ、新しい熱電デバイスになりうることを指摘した。 また、実験グループと協力しながら、多重量子ドット系の電子相関や輸送について解析を行った。基礎的な解析として、一列に並んだ3重の量子ドット系の両端のドット中の電子に働く超交換相互作用のパラメータに依存性について、摂動論を利用して解析を行った。さらに、この3重量子ドットの近藤効果による輸送の解析を行い超交換相互作用も含めた系のパラメーター依存性について明らかにした。同様に3角形に配置した3重量子ドット系の込んだ王効果のパラメーター依存性や輸送特性についても明らかにした。
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