研究課題/領域番号 |
06J09340
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
矯正・小児系歯学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
湯浅 健司 九州大学, 歯学研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 基底膜 / ラミニン / インテグリン / 細胞外マトリックス |
研究概要 |
歯胚形成には基底膜分子ラミニンと、歯原性上皮細胞の相互作用が必須である。 ラミニンは基底膜に存在する分子の一つであり、我々はラミニンα2、ラミニンα5ノックアウトマウスの解析から、これら分子が歯の形態形成に重要である事を明らかにした。しかしながら、上皮細胞側の基底膜分子受容体が、歯の発生においてどめような役割をしているかということは未だ明らかになっていない。インテグリンは、基底膜分子受容体の一つであり、歯胚上皮においてインテグリンα3、α6、β1、β4が特異的に発現している。そこで我々は、インテグリンβ1コンディショナルノックアウトマウスを用いて、歯の発生過程における役割の解明を試みた。歯胚上皮や上皮における主要なインテグリンとはインテグリンα6β1とα3β1である。これまでに、これら二つのインテグリンは歯胚上皮や上皮における細胞接着、細胞増殖、そして幹細胞の生存に関わる事が分かっている。さらに、β1インテグリンは細胞集積と細胞の最終的な分化において特有な役割を持つと考えられている。我々の作成したインテグリンβ1のコンディショナルノックアウトマウスでは、切歯においてエナメル芽細胞の分化の遅延と、局所的なエナメル質形成不全様の部分的白濁が認められた。さらにこれまでの我々の研究より、インテグリンα3β1とα6β1は、ラミニンα3、ラミニンα5鎖と相互作用を示すことが分かっている。今回のインテグリンβ1の歯のフェノタイプはラミニンα3のノックアウトマウスの表現系と類似していたが、ラミニンα5のノックアウトマウスの表現系には類似していなかった。しかしながら、インテグリンβ1とラミニンα5ノックアウトマウスの両方において内エナメル上皮の極性化が弱まっていた。これらの結果から、上皮のインテグリンβ1と基底膜分子の相互作用が内エナメル上皮の分化、特に極性化において重要であることが示唆された。
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