研究課題/領域番号 |
06J09525
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大澤 拓生 九州大学, 農学研究院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | コンドロイチン / ポリメラーゼ / 糖転移酵素 / グリコサミノグリカン / Nアセチルガラクトサミン / グルクロン酸 / DXDモチーフ / ヒアルロン酸 |
研究概要 |
コンドロイチンはグルクロン酸(GlcUA)とN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)の2糖繰り返しによって構成される高分子量の糖鎖で、その糖鎖を2種の転移反応によって単独で伸長するのがコンドロイチン糖鎖ポリメラーゼ(K4CP)である。この反応はUDP-GlcUA、 UDP-GalNAc、コンドロイチン糖鎖の3つを基質として触媒される。このような2つの転移活性を持つ糖転移酵素の立体構造はこれまで一例も報告されておらず、その触媒メカニズム、基質特異性に関する原子レベルでの情報は全くない。また、近年、コンドロイチンが再生医療、細胞分化制御工学分野で注目を集めている一方で、それを合成する酵素の重要性も非常に高まっている。このような背景から、K4CPの高次構造をX線結晶構造解析を用いて決定し、触媒反応メカニズムを解明することを研究目的とした。 K4CPは大きく2つのドメインから構成されておりそれぞれが、GT-A foldをとっていた。ちょうど二つの糖転移酵素が融合したような構造で、N末端側ドメインにUDP-GalNAcが、C末端側ドメインにUDP-GlcUAが結合していた。それぞれの結合部位にはDXD、 DGS等の配列モチーフが存在し、UDP-sugarおよびMnイオンの認識に重要な働きをしていた。これらの相互作用様式は他の糖転移酵素にみられるものと似ており、各ドメインにおいてGalNAcとGlcUAの転移反応が起こっていると考えられる。また、これら2つの結合部位は互いに正反対に位置し、かつ距離的に大きく離れていることから、K4CPはDNAポリメラーゼなどにみられるようなprocessiveな転移反応ではなく、各ドメインの活性部位間を伸長中の鎖が拡散によって行き来するようなnon-processiveなポリメライゼーションを行っていることが示された。
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