研究課題/領域番号 |
06J09955
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
固体地球惑星物理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村上 雅紀 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | シュードタキライト / 断層摩擦発熱 / フィッショントラック法 / 台湾集集地震 / 断層掘削 / 車籠埔断層 / 地層処分 / 断層帯の化学 / ウラン鉛法 / ウランヘリウム法 |
研究概要 |
1999年に発生した台湾集集地震の際に動いた車籠埔断層を対象に、2005年に掘削されたボーリングコア試料のフィッショントラック分析を行った。ボーリングコアのフィッショントラック分析で認められた温度異常は、断層摩擦発熱がもたらす温度異常帯に比べて幅が広い範囲に及んでいることから、断層帯を流れる熱流体に因るものと考えられる。フィッショントラック長の短縮は加熱温度と加熱時間に依存するため、断層帯における流体の挙動を仮定することでフィッショントラック長の短縮を説明することを試みた。断層帯における流体の移動の計算には、同断層で2006-2007年にかけて行われた注水実験のデータを用いた。また、試料の比熱容量測定も行い、熱計算に必要な物性値を得た。その結果、断層運動から7年経過した車籠埔断層帯の透水率は平均して非常に低く、断層帯を流体が通過しにくいため、断層帯の幅の広い範囲でフィッショントラックが短縮するような加熱温度と加熱時間条件に到達しないことが分かった。その一方で、注水実験によって新たに形成された破砕帯を熱流体が通過すると仮定すると、複数回の熱流体の通過を経験することでフィッショントラックの短縮を再現できることが分かった。これは、フィッショントラック分析で認められる温度異常のイベントが過去の断層運動に対応する可能性を示唆している。本研究の成果は過去の断層運動を知るだけではなく、断層運動時の熱の拡散を評価することができるため、環境問題とりわけ、放射性廃棄物地層処分問題に大きく貢献できると考える。
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