研究概要 |
1.B-model open topological string amplitudes"の多項式性. 3次元カラビヤウ多様体の種数gのグロモフ・ウィッテン(GW)不変量の生成関数F_gに対してミラー対側では"B模型位相的弦理論の振幅F_g"というものがあってBCOVの正則異常方程式と呼ばれる方程式を満たすと考えられている.この方程式の解は有限個の生成元の多項式であることが山ロ-Yauによって2004年に示された.この結果はSL(2)楕円モジュラー関数がアイゼンシュタイン級数の多項式でかけることゐ類推であり興味深い.一方,2006年にWalcherはミラー対称性を開弦に拡張した.具体的には次のふたつの量が一致することを示した:片方はCP^4の実5次超曲面とあるラグランジアン部分多様体の組に対する円板不変量の生成関数,もう片方はミラー族の中のある曲線の族に付随するnormal functionと呼ばれる量である.またBCOVの正則異常方程式の開弦版を提唱している.三鍋氏との共同研究ではこのWalcherが拡張した正則異常方程式に対して山ロ-Yauの結果と同様の多項式性が成り立つことを示した(上記の5次超曲面の場合). 2.連接層の導来圏が同値な2つの3次元カラビヤウ多様体の高次の種数のグロモフ・ウィッテン不変量の計算. グラスマン多様体Gr(2,7)内のあるカラビヤウ完全交差XとPfaffian variety Pf(7)内のカラビヤウ多様体X'は共通のミラー対を持つ.またこれらは(双有理同値ではないが)連接層の導来圏は同型となる例であり,Kontsevichのホモロジカルミラー対称性予想の観点からみて非常に興味深いケースである.細野忍氏との共同研究ではBCOVの正則異常方程式を使ってXとX'の高次の種数のGW不変量(と思われるもの)を計算した.また計算にあたって山ロ-Yauによる方法を改良した. 2.連接層の導来圏が同値な2つの3次元カラビヤウ多様体の高次の種数のグロモフ・ウィッテン不変量の計算. グラスマン多様体Gr(2,7)内のあるカラビヤウ完全交差XとPfaffian variety Pf(7)内のカラビヤウ多様体X'は共通のミラー対を持つ.またこれらは(双有理同値ではないが)連接層の導来圏は同型となる例であり,Kontsevichのホモロジカルミラー対称性予想の観点からみて非常に興味深いケースである.細野忍氏との共同研究ではBCOVの正則異常方程式を使ってXとX'の高次の種数のGW不変量(と思われるもの)を計算した.また計算にあたって山ロ-Yauによる方法を改良した.
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