研究課題
特別研究員奨励費
火山体内部の密度の高低によって宇宙線ミュオンの吸収率が異なる事を利用して、国内で最も活発な活火山のひとつである浅間山山頂付近と世界的に有名な有珠山溶岩ドーム、昭和新山を対象に水平方向から飛来する宇宙線ミュオンを用いてラジオグラフィーイメージングに成功した。浅間山では、一般に溶けた岩石であるマグマと周囲の火山灰が降り積もった領域との間の密度差及び、マグマの通り道と周囲の領域との密度差を明確に捕らえた。これにより、噴火後マグマがマグマ溜りへと吸い込まれていく火山性破砕物のフォールバックメカニズムなどを視覚的に明らかにした。結果は地球科学分野で非常に高い評価を受けている国際雑誌Earth and Planetary Science Letters(2007)に掲載された。一方、昭和新山溶岩ドームの像ではマグマの通り道が空洞ではなく固結したマグマで満たされていることが分かり、浅間山とは対照的なイメージが得られた。これは浅間山と有珠山の間でのマグマの粘性の違いによるものと考えられる。有珠山の観測では世界に先駆けて噴火形態をコントロールする火道の形状をイメージングすることに成功した。結果は地球物理学分野で非常に高い評価を受けている国際雑誌Geophysical Research Letters(2007)に掲載された。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件)
Earth and Planetary Science Letters 263
ページ: 104-113
Geophysical Research Letters 34
NUCLEAR INSTRUMENTS AND METHODS IN PHYSICS RESEARCH SECTION A : ACCELERATORS, SPECTROMETERS, DETECTORS AND ASSOCIATED EQUIPMENT 575
ページ: 489-497