研究課題/領域番号 |
06J10629
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
比留間 亮平 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | ルネサンス / 哲学 / イタリア / 思想史 / 中世哲学 / ピコ・デラ・ミランドラ / 新プラトン主義 |
研究概要 |
本年度は採用第2年度にあたるが、昨年度に引き続き、ルネサンスの代表的哲学者であるピロ・デラ・ミランドラの著作を中心に研究し、成果を学会発褒及び論文発表の形で提出した。 本年度の研究において主に扱ったのは、ピコの『900箇条の提題集』という著作である。このピコの『提題集』はルネサンスの思想を扱う著作において必ず言及されると言ってよいほど有名なものであるが、実際にはほとんどの研究者が、これまでこの著作の序文である『人間の尊厳についでの演説』にのみ依拠して議論を展開してきた。数年前にこの『提題集』の校訂版がようやく編集、出版されたことで、ピコの思想の全体像がようやく見え始めたと言えるが、特に国内の研究に目をやると、この著作を利用したものはまだ皆無に近い状況であり、今日の国際的なピコ批判研究の成果が十分に取り入れられているとは言えない。 そこで、本年度は日本宗教学会、新プラトン主義協会という二つの学会発表で、共にこのピコの『提題集』に基づきながらこれまでのピコ研究に対する批判的な議論を展開し、新たなピコ理解を提示することを試みた。 日本宗教学会での発表「ピコ・デラ・ミランドラにおける魔術と学知」においては、ピコの『提題集』における中心テーマと言える魔術論に焦点を当て、ピコがこの著作でそれまでの自然哲学の革新を試みた際、新たな方法論としていかなるものを提示しているかを明らかにした。 また新プラトン主義協会での発表「ピコ・デラ・ミランドラにおけるプロクロスのヘナデスについて」においては、ピコが上記のような独特な理論を展開するに際し、いかなる知的伝統に依拠しているのかを明らかにするため、特にプロクロスのヘナデスの理論をピコがいかに理解し、利用しているかを議論した。この新プラトン主義協会での発表は、一部議論を手直しした上で学会誌「新プラトン主義研究」に論文として投稿された。
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