研究課題/領域番号 |
06J10719
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
物性Ⅰ
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
織田 勧 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | クォーク・グルオン・プラズマ / クォーコニウム / ベクトル中間子 / 電子識別 / GEN |
研究概要 |
本研究は米国RHIC加速器の高エネルギー重イオン衝突実験、PHENIX実験において、ベクトル中間子をプローブにして、高温高密度状態における強い相互作用の性質、特にクォークが閉じ込めから解放されたクォーク・グルオン・プラズマ(QGP)相の性質を研究するために開始した。昨年度での本研究の進展および理論的研究の進展により、ベクトル中間子よりも系統的にクォーコニウムを用いた方がより優れたプローブになることがわかった。本年度はいままで進めてきた2005年に取得した銅原子核同士の衝突の際のJ/Ψ粒子の解析を完了させ、論文を投稿するとともに、2005年と2006年に取得した陽子同士の衝突の際のX_c。粒子の解析を新たに行なった。J/Ψの解析では検出器の不感領域が多いデータを排除した上で、実データとシミュレーションを比較し、解析に用いる検出器の領域を最適化してから、シミュレーションからJ/Ψの検出効率を求め、実データからトリガー効率を求めた。高粒子多重度による検出効率の悪化はJ/Ψのシミュレーション事象を実事象に埋め込んだ後に再構成することで評価した。得られた補正因子とJ/Ψのカウント数から収量およびその衝突係数・ラピディティ・横運動量依存性を導出した。X_cはJ/Ψと光子に崩壊するモードを用いて、J/ΨのうちX_cの崩壊から生成されたもの割合を求めた。シミュレーションを用いて解析方法を最適化し、実データでπo粒子を再構成することで光子検出を検証した上で、X_cの検出を行なった。このX_xの結果と矛盾しない理論計算を用いた解釈では、今回得られた銅原子核同士の衝突と既報の金原子核同士の衝突の際のJ/Ψの結果は、高温高密度状態の影響によるJ/Ψの収量抑制が最中心の銅原子核衝突で起こり始め、J/Ψ自体の分解が最中心の金原子核衝突で起こっていることを示唆するという興味深い結果が得られ、雑誌や論文で報告した。
|