研究課題/領域番号 |
06J10745
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究機関 | 東京理科大学 (2007) 東京大学 (2006) |
研究代表者 |
飯田 俊朗 東京理科大学, 理学部・第二部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | デルタ関数気体 / 厳密解 / 1次元可積分系 / ベーテ仮説法 / BCS-BECクロスオーバー / 朝永・ラッティンジャー流体 / ベーテ伝説法 / 朝永・ラッティンジャー液体 |
研究概要 |
1995年のボース・アインシュタイン凝縮(BEC)の実現以後、超低温中性原子気体の実験は爆発的な進展を続け、現在では、次元性、相互作用、構成粒子の種類と成分の数等、様々なパラメータを自在に調節した凝縮体が作成されている。その一方で、1次元量子多体系の中でも最も基本的な厳密に解ける模型の一つに、デルタ関数気体がある。この模型は豊かな数理構造を持ち、1960年代より盛んに研究されてきた。近年では、デルタ関数気体は、凝縮体の擬1次元的な閉じ込め条件下における実効ハミルトニアンとして、より広い興味を集めている。 2成分の引力デルタ関数気体の基底状態(温度ゼロ)はベーテ仮説法により求められていた。しかしながら、状態を記述する擬運動量とスピン波数に対する方程式を解析的に解くことは非常に困難であるため、その方程式の解を始めとして、様々な物理量の解析的な表式はほとんど得られていなかった。 我々は昨年度、2成分引力フェルミ気体の擬運動量とスピン波数の分布関数を、任意のスピン偏極で計算し、エネルギー等の物理量を計算した。いずれも新しい結果であり、1件の雑誌論文にまとめ、国際学会においてポスター発表を行った。 さらに、外部磁場が存在するときの2成分引力フェルミ気体の基底状態および相図を求めるために、熱的ベーテ仮説法にもとづく、外部磁場存在下における励起スペクトルを、任意のスピン偏極において計算した。その結果を利用してエネルギー、化学ポテンシャル、相転移を生じさせる磁場、等の物理量の解析的な表式を得ることに初めて成功した。結果は国内の物理学会において口頭発表し、その詳細を論文に投稿した。
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