研究課題/領域番号 |
06J10814
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
形態・構造
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
遠藤 大輔 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 性分化 / 有鱗目 / 性ステロイドホルモン / ヒョウモントカゲモドキ / 性決定 / 温度依存性性決定 / 脳 |
研究概要 |
平成18年度の結果から、ヒョウモントカゲモドキ胚の生殖腺原基においては性ステロイドホルモン合成酵素の発現量に孵卵温度の影響および形態的な性分化は観察されないこと、脳においても生殖腺の性快定時期以前から性ステロイドホルモンの合成酵素と受容体が発現していることが明らかとなっていた。 この結果を受け、平成19年度には孵化直後の個体での生殖腺における性分化の形態的、分子生物学的解析を行うと共に、胚の脳における性ステロイドホルモン合成酵素の発現に対する孵卵温度の影響を調べた。ヒョウモントカゲモドキでは生殖腺の形態的な性分化は孵化直後から観察された。これは他の染色体性性決定有鱗目種での報告と比べても非常に遅い。ヒョウモントカゲモドキでは性が決定される温度感受期が発生中期から後期であり、この性決定期と生殖腺の性分化時期との関係は性決定様式の進化を考える上で興味深い。さらに、遺伝子発現レベルではやはり孵化直後にエストロゲン合成酵素がメスで、性ステロイドホルモン合成酵素の転写因子であるAd4BP/Sf-1がオスで高い発現を示した。これは有鱗目の性決定の分子機構の進化を研究する上で基盤となるデータであると共に、ヒョウモントカゲモドキ特有のAd4BP/Sf-1の存在を示唆している。 また、脳においては生殖腺が性分化するより以前に2種の性ステロイドホルモン合成酵素の発現に対する温度の影響が観察された。これは性決定因子である孵卵温度が直接脳に入力していることを示唆するものである。18年度から引き続き解析を行っているニワトリにおいても生殖腺の性決定以前の脳におけるAd4BP/Sf-1発現量の性差が観察された。これらの結果は旧来の脳の性分化機構のモデルを覆し、羊膜類で広く脳に自律的な性分化機構が存在することを示唆するものである。
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