研究課題/領域番号 |
06J10848
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
資源保全学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
亘 悠哉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 外来種 / 生物問相互作用 / 奄美大島 / 食物網 / トロフィックカスケード / 見かけの競争 / 生物間相互作用 |
研究概要 |
本研究では、奄美大島においてマングースが引き起こす在来生物への影響の仕組みを解明するため、以下の研究に取り組んだ。 1.マングースによるトップダウン効果が生じる仕組み マングースの定着期間の地理的な勾配に沿って在来生物の生息状況を調査し、マングースが及ぼす在来生物へのトップダウン効果を推測した。野外調査の結果、13種の在来生物の生息状況が明らかになった。このうち、アマミノクロウサギやカエル類をはじめ、体サイズが大型の7種は、マングースが長期間定着した地域でほとんど生息が確認されず、マングースの捕食に対してきわめて脆弱性が高いことが明らかになった。一方で、昆虫類など体サイズが小型の3種はマングースの長期定着している地域でむしろ増加している傾向を示しが、これはマングースが在来の捕食者を減少させたことに起因するトップダウンカスケードによるものだと考えられた。 2.マングースのインパクトが強い仕組み マングースが在来生物群集に強いインパクトを与えている理由として、渡り鳥シロハラによるマングース個体群に対するボトムアップ効果に着目し、個体群動態シミュレーションを行った。マングースの食性を分析したところ、シロハラが大量に飛来するシーズンはマングースの餌重量が通常の約2倍に増加していた。また、シロハラの大量飛来の際には、繁殖開始の時期が早まることがわかった。この結果を用いてシミュレーションを行ったところ、シロハラの大量飛来がマングースの個体群増加率を上昇させていることが明らかになった。さらに、駆除シミュレーションの結果、シロハラの飛来の変動を考慮して駆除を行うことの重要性が示唆された。 以上の知見はマングースだけでなく、ノネコやオコジョなど、島生態系で甚大な被害を及ぼしている多くの外来捕食者のリスク評価にも貢献すると考えられる。
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