研究課題/領域番号 |
06J11220
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
津野 祐輔 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 嗅球 / 嗅皮質 / 電気生理 / 樹状突起間双方向性シナプス / 誘発電場電位 / 覚醒睡眠状態 / アセチルコリン / 覚醒 / 睡眠 |
研究概要 |
前年度までの研究により、ウレタン麻酔下ラット嗅球において、覚醒状態が低いと考えられるslow-wave state時には、抑制性ニューロンである顆粒細胞から投射ニューロンである僧帽細胞への抑制性入力が、強くまた長くなっている事を、僧帽細胞の軸索の束であるLOTの2回刺激で誘発される電場電位を調べることで示した。また、自由行動下ラットにおいても、覚醒状態が低い徐波睡眠時に、顆粒細胞から僧帽細胞への抑制性入力が強くなることを明らかにした。また、ウレタン麻酔下ラット嗅球の僧帽細胞の細胞内記録により、抑制性入力(IPSP)の大きさと長さが変化している直接的証拠を得た。また、LOT2回刺激誘発電場電位で見られる抑制が、NMDAレセプタおよびGABA(A)レセプタを介していることを、薬理学的方法を用いて示した。 本年度は、ムスカリン性アセチルコリンレセプタにより、覚醒状態依存的な顆粒細胞から僧帽細胞への抑制の変化が制御されていることを、薬理学的方法を用いて示した。この結果を日本神経科学大会においてポスター発表を行うと供に、得られた全結果をまとめてThe Journal of Neuroscience誌に論文を出版した。また博士論文を書き、博士号を取得した。 これらの研究から、少なくとも嗅球においては、アセチルコリン入力が覚醒状態依存的な顆粒細胞から僧帽細胞への抑制の変化に重要な役割を担っていることが示された。この事は、嗅覚系における覚醒状態依存的変化にアセチルコリン入力が重要な役割を担うことを示唆しており、嗅皮質においてもアセチルコリン入力が覚醒状態依存的ゲーティングを制御する可能性は十分に考えられる。今回の研究により、嗅皮質における覚醒状態依存的ゲーティングとアセチルコリンの役割の研究の基盤ができたと考えている。
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