研究課題/領域番号 |
06J11286
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
機能物質化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
志村 晴季 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 自己組織化 / 液晶 / イオン伝導 / 配向制御 / 超分子 |
研究概要 |
水素結合、疎水性相互作用、π-π相互作用、イオン-双極子相互作用などの弱い相互作用によって自発的に形成された"超分子"が広く研究されている。なかでも、液晶は生体材料・工業的応用の観点から注目されている。液晶の動的かつ異方的な秩序構造を利用することで、異方的な物質輸送や分離、触媒作用などの機能を有する材料を作ることができる。我々は液晶の自己組織化とナノ相分離によって形成される構造をイオン伝導性材料へと応用してきた。カラムナー液晶を1次元イオン伝導体として使用する場合、マクロスケールの一軸配向か不可欠である。今まで、カラムナー液晶のせん断による水平配向・基板の化学的処理による垂直配向が達成されているが、いずれの方法も動的に伝導方向を制御することはできない。また、せん断による配向は熱により不可逆的に崩れるという問題がある。 本研究では、電場を印加することにより、電場方向へと自発配向するイオン伝導性カラムナー液晶の開発を行った。プロピレンカーボネートと扇状のメソゲンを結合した液晶性分子を設計・合成した。カーボネート誘導体は比較的大きな双極子モーメントを有し、リチウムに配位するため、電池材料として応用されている。この分子とリチウム塩の10:1複合体はカラムナー液晶性を示した。ポリドメイン状態の複合体を酸化インジウムスズセルに封入し、交流電場を印加すると、偏光顕微鏡の像が徐々に暗視野となり、最終的にほぼ光学的に等方となった。これは、電場によってカラムが電場に対して平行に配向したことを示している。電場による配向制御の後、複合体のイオン伝導度は4倍に上昇した。この結果は、電場と平行にカラムが配向することで、一次元に組織化された伝導パスをイオンが効率的に伝導したことを示している。
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