研究課題/領域番号 |
06J11358
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
阿瀬 貴博 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 加速器質量分析 / 宇宙線生成核種 / 氷床コア / 地磁気エクスカーション / Cl-36 |
研究概要 |
本年度は前年度に引き続き南極ドームふじ氷床コアを用いて約4万年前の地磁気イベントであるLaschampエクスカーション対象部について^<36>Cl、^<10>Be、^<26>Alの測定を行った。本研究で得られたこの時代の^<10>Beフラックスの変動は南極ドームCですでに報告されている^<10>Beの結果と数百年スケールの変動まで非常に良く一致した。これは本研究で使用しているドームふじ氷床コアの年代モデルに大きな制約条件を提供するだけでなく、本コアが宇宙線生成核種の優れたアーカイブであることを強く示し、太陽活動に起因すると考えられる数百年スケールのグローバルな宇宙線生成核種の生成率の変動が氷床コア中に保存されていることを示している。同様に^<26>Alの分析では^<10>Beピークと同じ深度においてほぼ同じ振幅の明確なピークが確認された。これは本ピークが地磁気エクスカーションに起因した生成率の増加を表している強い証拠となった。一方でこの時代の^<36>Cl濃度は他の2核種とは大きく異なる結果となった。単一の明確なピークは確認されず複数深度において極めて高い濃度を示した。これまで分析が終了した部位における^<36>Cl濃度は氷1g当りおよそ10000から1600000atomsの範囲で大きく変動した。この変動は実験室での汚染や地球外物質からの汚染、気候変動による輸送の変化などでは説明ができず、実際に^<36>Clの生成のみが卓越した可能性を示唆する結果となった。この原因としてはこの時代に南極近傍において宇宙線のエネルギースペクトルが一時的に大きく変化した可能性が考えられた。
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