研究課題/領域番号 |
06J11375
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田村 陽一 (2006, 2008) 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
田村 一陽 (2007) 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 銀河形成 / 銀河進化 / サブミリ波銀河 / 爆発的星形成 / 星間物質 / ミリ波サブミリ波天文学 / サブミリ波観測精度 / ALMA望遠鏡 / 衝突銀河 |
研究概要 |
(1)私は、銀河の形成や進化、および銀河と宇宙大規模構造との関係の理解を目標に、国立天文台アステ望遠鏡を用いて遠方(過去)の大質量爆発的星形成銀河(サブミリ波銀河)の観測を、主に国立天文台、米国マサチューセッツ大学、メキシコ国立天文学・光学・電子工学研究所との共同研究を推進してきた。下記2件の発見を報告・議論するために、本年度、査読月論文1件、国内学会1件の発表のほかに、米国メリーランド大学、ハーバード・スミソニアン天体物理学研究所、マサチューセッツ大学でのコロキウム発表と研究打合せを行った。 ■ミリ波連続波観測による遠方宇宙のサブミリ波銀河の探査:現在の宇宙構造形成論では、宇宙質量の大部分を占める暗黒質の分布は、バリオンの降着率が高い箇所、すなわち大質量星形成銀河でトレースされる可能性が高い。私はサブミリ波望遠鏡「アステ」に搭載されたAzTECミリ波カメラ「アステック」による遠方銀河団候補領域(赤方偏移3.1)のこれまでにない広域深探査を行い、30個の大質量星形成銀河、およびこれらの銀河の"密集(clustering)"の発見に世界で初めて成功した。これは暗黒物質分布を的確に捕捉している可能性を示唆するものであり、本成果は英国科学雑誌Natureに受理された(2009年5月発行予定)。 ■サブミリ波干渉計によるサブミリ波銀河対応天体の検出:サブミリ波銀河は可視光での観測がきわめて難しく、またサブミリ波という波長の特性上その位置決定精度が低く、これらがサブミリ波銀河研究を大きく遅滞させていた。そこで私はサブミリ波干渉計(ハワイ)を用いて上記探査で発見されたサブミリ波銀河のひとつの位置を高い精度で決定した。その結果、可視光線や近赤外線でまったく検出されないきわめて「赤い」銀河であることがわかった。この発見は、これまで紫外線-近赤外線でのみ推定されてきた宇宙星形成史の見直しを迫る重大なものである。 (2)私は、大気に阻まれやすいミリ波サブミリ波帯での宇宙電波の測定精度改善を意図した、183GHz大気モニタ用小型電波望遠鏡の開発を行ってきた。平成19年度までに電波望遠鏡を南米チリのアステ望遠鏡サイト(標高4800m)に設置を完了していたが、本年度そのモニタの無人自動遠隔運用を開始することに成功した。現在モニタはウェブを介して日本側に提供されており、またアタカマー帯に望遠鏡を有する各国の電波天文学コミュニティへの情報提供を行っている。
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