研究課題/領域番号 |
06J11666
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
薄膜・表面界面物性
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
澤田 有紀 (徳本 有紀) 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 薄膜 / 転位 / 電気伝導 / 透過型電子顕微鏡 |
研究概要 |
本研究は、薄膜中の転位を特性の起源として利用したナノ細線を含む薄膜デバイスの創成を目的としている。約4×10^<10>/cm^2の高密度な貫通転位を含むAlN薄膜試料を用い、試料表面にMnを蒸着し、熱処理を施すことにより転位に沿って拡散・偏析させることを試みた。その結果、転位芯近傍にMnを偏析させることに成功した。走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いた電子エネルギー損失分光法(EELS)による元素マッピングの結果から、Mnの偏析している領域は転位芯近傍約1〜2nmであり、特に引っ張りひずみの存在する領域に優先的に偏析していることが明らかとなった。また、Mnの検出された領域においてAlの濃度が減少しており、MnがAlサイトを置換していることが示唆された。これらの結果から、Alよりイオン半径の大きいMnと転位芯近傍の応力場との間に弾性的相互作用が働いたために偏析が起こったものと考えられる。さらに、コンタクト電流モードの原子間力顕微鏡(AFM)による電気伝導測定の結果、局所的に電流のピークが検出された。この電流のピークはTEMで観察された貫通転位の配列様式および密度とほぼ対応していた。このことがら、AlN薄膜貫通転位に沿って一方向電気伝導性を発現させることに成功したといえる。本実験の結果から、薄膜試料表面への金属蒸着および熱処理による拡散といった手法により、薄膜貫通転位に沿ってナノ細線を作製することが可能であることを示すことができた。
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