1.過去の言語資料を整理したことによって、歴史的言語データから、文法事項を網羅的に拾い上げ、言語変化の新しい事実を発掘した。 2.フィールドワークを通じて、現在の方言のデータを収集した。現地に行って、フィールドワークを行い、現時点の成都方言を詳しく記録した。そのデータで、コーパスを作り、成都方言の全体像を明らかにした。 3.認知言語学、語用論、類型論など一般言語学の理論を使って、方言データに対して分析を行い、成都方言の文法形式が生まれるメカニズムの解釈を試みた。また、それを論文の形でまとめ、学会で発表した。具体的に、以下の学会発表をした。 a."形容詞+了"所表示的主観性變化 2006年04月 首届新時期漢語語言學理論建設與應用研究國際學術研討會 国際会議 中国・紹興 b.從是非問句的語用効果看部分疑問詞的産生機制 2006年05月 第7回漢語詞彙・語意研討会 国際会議(台湾・新竹) c.成都方言における"説" 2007年01月 東京大学駒場中国語研究会 東京大学 4.インフォーマントの協力を得て、四川方言の会話テキストを作り、四川方言の特徴を音韻・語彙・文法から浮き彫りにし、これからの研究者に貴重な資料を残している。 5.研究成果を博士論文「成都方言の文法研究--文法化のアプローチ」にまとめた。
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