研究課題/領域番号 |
06J52892
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
佐藤 佳瑞智 (2007) 徳島大学, 栄養生命科学教育部, 特別研究員(DC1)
武藤 佳瑞智 (2006) 徳島大学, 栄養生命科学教育部・特別研類(DC1)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | パラチノース / シュクロース / 糖脂質代謝 / オレイン酸 / 糖・脂質代謝 / 内臓脂肪蓄積 / 炎症性ストレス制御 / 食事性糖質 / 食事性脂質 / 栄養素間相互作用 |
研究概要 |
本研究では、糖質と脂質を選択的に組み合わせて摂取することで、生体の糖・脂質代謝を制御できる可能性について検討した。その結果、シュクロース異性体であり消化吸収の緩慢なパラチノースと、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸との組合せ食が、肥満モデルラットの糖・脂質代謝異常を抑制することを明らかにした。さらに、食事因子による全身性の変化が見られない段階から、膵臓には糖質と脂質の組合せに応じた形態的・機能的変化がいち早く生じることを確認した。そこで本年度は膵臓に着目し、内臓脂肪型肥満の進展に伴う膵島病変に及ぼす糖質と脂質の組合せ効果について解析した。 それぞれに生理作用の異なる糖質(パラチノースまたはシュクロース)および脂肪酸(オレイン酸またはリノール酸)を組み合わせた4種類の食餌を調整し、非糖尿病性肥満モデルのZucker fatty (fa/fa)ラットに4週間投与後、比較検討を行った。内臓脂肪蓄積から2型糖尿病発症への起点であるβ細胞の減少には、顕著な糖質と脂質の組合せ効果が見られ、パラチノースとオレイン酸の組合せが最もβ細胞量を保持し、シュクロースとリノール酸の組合せが最も減少させた。これにはパラチノース摂取による膵島繊維化の抑制と、オレイン酸摂取によるアポトーシス促進因子caspase-3の活性化抑制が関与していた、さらに、オレイン酸摂取は膵臓の炎症誘導性n-6系脂肪酸(リノール酸、アラキドン酸)含量を低下させた。一方、これらの脂肪酸を基質とし、β細胞障害性を有する炎症性エイコサノイドを産生する12-lipoxygenaseの遺伝子発現は、パラチノース摂取により抑制された。 以上より、パラチノースとオレイン酸の組合せは、膵島病変の抑制を介して内臓脂肪型肥満から2型糖尿病発症を有効的に予防することが示唆された。
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