研究課題/領域番号 |
06J53181
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
加島 洋亨 日本大学, 生物資源科学部, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 強酸性耐性 / イオウ代謝 / システイン合成酵素 / システイン / グルタチオン / 重金属過剰 / マンガン / 鉄 / ストレス耐性 / ケナフ / 根圏域の中和作用 / アンモニア分泌 / フェニルアラニン / PAL / 根の生理活性 |
研究概要 |
酸性硫酸塩土壌で生育できる植物は、強酸性や可溶化したMn・FeやAIなどの過剰障害、Alによるリン酸固定に起因するリン欠乏や塩基溶脱による貧栄養などの複合ストレスに対して適応する能力を有していることが考えられる。これまでに酸性硫酸塩土壌で生育できる植物は、多量に存在するイオウを積極的に吸収利用することによって適応機能を発現している可能性について検討した結果、強酸性条件下における植物の生育とシステイン合成酵素(CSase)活性の間には正の相関があり、強酸性条件下で生育が比較的良好な植物は、CSase活性が高い傾向にあることを明らかにした。そこで、本年度は、植物の強酸性抵抗性に果たすCSase活性の役割について検討した。 強酸性条件下で生育が比較的良好でCSase活性が高いケナフ・ソバと、生育抑制が大きくCSase活性が低いクローバー・バジルを供試植物として、これら4植物を水耕栽培しMnは5〜200pppm処理、Feは1.4〜140ppm処理し、生育と体内重金属含有率との関係を比較検討した。その結果、ケナフやソバは、Mn50ppm、Fe70ppmから過剰害は現れたが、レッドクローバーやスイートバジルはMn10ppm、Feは14ppmでも過剰障害が生じ、重金属の過剰害が発生する濃度に大きな差異が認められた。そこで、過剰害が発現する処理濃度の違いが何に起因するかを明らかにするために、体内重金属含有率とリガンドとしてのシステイン(Cys)やグルタチオン(GSH)含有率との関係を検討した。その結果、ケナフやソバは、体内重金属含有率の増加に伴ってCysあるいはGSH含有率が増加するのに対して、クローバーやバジルではその増加が見られなかった。このCysやGSHはイオウ代謝系で合成されており、強酸性条件下で生育が比較的良好な植物は、CSase活性が高いという結果を支持するものと考える。
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