研究課題/領域番号 |
06NP0701
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研究種目 |
創成的基礎研究費
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小山 健夫 東京大学, 工学部, 教授 (10010696)
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研究分担者 |
田浦 俊春 東京大学, 人工物工学研究センター, 助教授 (00251497)
桐山 孝司 東京大学, 人工物工学研究センター, 講師 (10234402)
久保田 晃弘 東京大学, 人工物工学研究センター, 助教授 (70192565)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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キーワード | 人工物工学 / 知的人工物 / 知識創発 / 設計支援 / 人工環境 / 協調設計 / マイクロマシン / ネットワーク |
研究概要 |
本年度は全5年計画の第3年度にあたり、昨年度までに明確化した人工物工学の研究の基軸に従ってこれまでの9研究班の構成を3研究班の構成に改めた。研究班1「知識創発支援環境」は、どのようなものをつくればよいかという設計の仕様を明確にする段階を支援するための研究である。研究班2「知的人工物実現化支援環境」は、いかに知的な人工物の着想を実現までにもっていくかに関する研究である。研究班3「人工物環境学」は、人間をとりまく人工環境をいかにつくり出していくかに関する人間の知識の研究である。 本年度研究班1では、概念を明確化し協調作業を支援するためのメンタルワールドブラウザ(MWB)の検討を行い計算機システムを試験的に作成した。MWBに必要な仕様として明らかになったものは、計算機ネットワークを媒介にした非同期コミュニケーション、文字情報とイメージ情報が互いにリンクする構成などであり、試作システムにはこの仕様が反映されている。既存設備との関係では、3次元疑似運動出力装置、レーザリソグラフィ装置とMWBとの結合が検討されている。研究班2では、設計を詳細化する過程での各種の観点からの検討を支援するための計算機環境と、実際に設計を実現するための装置についての研究を行った。具体的にはマイクロマシンを対象にした機能設計システム、有限要素解析システムなどの試作、またマイクロアセンブリ装置を利用した表面活性化接合技術の開発などを行った。研究班3では、人工環境は人間の知識の反映であるとの見地から設計知識の記述について検討を行い、エンジニアリングヒストリーベースの試作を行った。また協調設計の支援を目的としてレーザリソグラフィ装置を利用したラピットマニュファクチャリングの研究を行った。 11月には第二回人工物工学国内シンポジウムを東京大学にて開催した。このシンポジウムでは各班の成果の中間発表があり、またパネル討論ではこれからの工学設計の基本軸として、限られた資源の中でいかに目的に沿った人工物を作り出すかという有限性のパラダイムが論じられた。シンポジウムでは研究発表とともに、人工物工学研究のインフラストラクチャと位置づけられる2地点間放送システム(パソリンク)、インターネット上での放送システム(MBone)などが公開された。
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