研究課題/領域番号 |
06NP1001
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研究種目 |
創成的基礎研究費
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
輕部 征夫 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50089827)
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研究分担者 |
横山 憲二 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (80242121)
鈴木 正康 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (70226554)
竹内 俊文 広島市立大学, 情報科学部, 教授 (70179612)
民谷 栄一 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (60179893)
松永 是 東京農工大学, 工学部, 教授 (10134834)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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キーワード | 生体機能分子 / モレキュラーインプリンティング / 生体模倣技術 / 蛋白質工学 / 蛋白質の化学修飾 / エレクトロニクス素子 / インターフェイス / バイオエレクトロニクス |
研究概要 |
本研究は、脳における情報処理や神経伝達機構などの、生物の持つ優れた機能を持ち、且つ工学的に応用可能な全く新しい「生体機能分子」の「設計・合成」を行うことを目的とする。工学的に応用可能な「生体機能分子」を設計・合成するために申請者らが長年の研究のなかで得た、生体分子に関する知見やエレクトロニクスとのインターフェースに関する知識と技術をもとに、有機合成化学、生物有機化学、生物工学、生物電子工学、バイオエレクトロニクスなどの知見・技術を集大成して、研究を遂行している。 生体機能分子を設計・合成するために、有機合成化学的アプローチと蛋白質化学的アプローチの2つの方針をとる。有機合成的アプローチとしては、モレキュラーインプリンティング法による分子認識部位の構築と触媒能の導入を行う。タンパク質工学的アプローチとしては、タンパク質の化学修飾による電子伝達効率の促進と、天然メディエーター分子の化学修飾による酸化還元特性の改変を行う。 平成6年度は具体的には以下のの3つを目的として研究を遂行した。 1.すでに触媒機能を持っている合成高分子を材料としてモレキュラーインプリンティング法を行い、触媒活性の増幅を試みる。 2.生体高分子と合成高分子のハイブリッド分子の創製を試みる。例えば天然蛋白質の機能部位を取り出して合成高分子に導入し、人工酵素を調製する。 3.人工高分子にアミノ酸残基を導入し、触媒機能のある高分子を創製する。 本年度は計画の第2年度であり、初年度で得られた様々な成果を基に研究を展開した。 1.については、モレキュラーインプリンティング法において金属錯体の利用を試み、反応遷移状態アナログを認識する分子認識高分子を合成し、この高分子に触媒機能を付与することに成功した。 2.については、導電性のある高分子と酵素を結合させたハイブリッド分子を合成し、その電子伝達能などの電気化学的特性の評価が進んでいる。また天然の糖とエステル結合を形成する低分子を合成し、これをモレキュラーインプリンティング法の分子認識のための機能性モノマーとして利用して、糖を認識する高分子の合成に成功した。 3.については、モレキュラーインプリンティング法で、分子認識する機能性モノマーとしてアミノ酸を利用して分子認識高分子の合成を行っている。現在その分子認識能の評価を行っており、この高分子が低分子の光学異性体を認識することを確認している。その触媒機能については今後検討する。 更に生体機能分子の設計・合成の展開として生体模倣技術を用いたアプローチ、特殊な微生物を利用したアプローチも進んでいる。
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