研究課題
創成的基礎研究費
本年度は、7年度からの本格的調査研究の準備として2回の準備会を行い、いくつかの基礎的作業を開始した。1月16日、東京の国際文化会館において、総括班の準備会を行った。国際共同研究の進捗状況、データベース作成の基本的アイデアについて国際日本文化研究センター所属のメンバーから報告した後、国際共同研究と国内研究との連携方法、国内における歴史人口学および家族史研究の主要テーマ・研究方法・担当者について話し合った。すべての研究を始めるにあたっての前提として、歴史人口学班では乳幼児死亡率をより精確に推定するための予備的研究を行い、家族史班では宗門改帳記載方法の地域的多様性を検討することが合意された。これらは早速実行に移されている。また、2月28日・3月1日の両日、京都の国際日本文化研究センターにおいて、家族史班の準備会を行った。研究計画の大筋についての総括班からの提案と討議の後、データベースの構造とデータの入力方法について集中的に議論した。とりわけ、これまで用いられてきたBDS(宗門改帳の情報を整理するためのシート)の形式に変更を加えるべきか否かについて、家族史研究の立場から意見を出し合った。この点についての議論はその後も京都と東京のメンバーが相互訪問するかたちで続けられ、結論としては大幅な変更は行わないということでごく最近合意を見た。国際日本文化研究センターにおいては、歴史人口学および家族史研究の重要文献の収集・検討、およびデータ入力のためのプログラム作成とその吟味、宗門改帳の所在調査、マイクロフィルムの焼き付け、BDS作成などの作業を開始した。各研究分担者も頻繁にセンターを訪れてこれらの作業を共同して行うかたわら、各々が入手可能な資料について入手方法等の検討を進めている。国際的には、研究代表者がパリにおいてフランスおよびイタリアの研究者と打合せを行い、またトルコの研究者と連絡を取った。
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