研究課題/領域番号 |
07041001
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
煎本 孝 北海道大学, 文学部, 助教授 (50124227)
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研究分担者 |
スウェンソン トム オスロ大学, 人類学部, 教授
池谷 和信 国立民族学博物館, 第1研究部, 助手 (10211723)
山田 孝子 北海道大学, 文学部, 講師
浪田 克之介 北海道大学, 言語文化部, 教授 (10000598)
SVENSSON Tom University of Oslo, Professor
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1995年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 北方文化 / 北方研究 / 学術情報ネットワーク / 中国 / 北欧諸国 / カナダ国 |
研究概要 |
中華人民共和国(平成7年7月4日〜7月17日)、北欧諸国(デンマーク、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、平成7年8月18日〜9月10日)、カナダ国(平成7年9月2日〜9月28日)において、北方研究の拠点である大学、研究機関等を対象に調査研究を実施し、北方文化研究の現状に関する情報を収集するとともに国際学術情報ネットワークの構築を行った。 中華人民共和国においては、内蒙古大学、内蒙古博物館を対象に調査を行った。デンマーク国においては、コペンハーゲン大学エスキモー学科、デンマーク国立博物館民族誌部門、デンマーク極地センターの3機関を対象にして調査を行った。フィンランドにおいては、フィンランド国立博物館、国立文化財委員会、ラップランド大学北極センター、イナリ・サーミ博物館を対象にして調査を行った。スウェーデンでは、ストックホルム大学比較宗教学部、北方博物館、国立民族誌博物館を対象にして調査を行った。ノルウェーにおいては、オスロ大学の民族誌博物館および人類学部、ノルウェー民俗博物館、トロンハイム大学事務局、社会人類学部、図書館、大学博物館、およびトロンデラ-グ民俗博物館、トロムセ-大学トロムセ-博物館、サーミ研究センター、言語文学部、社会科学部などの機関を訪問し、調査を行った。 さらに、カナダにおいては、ブリティッシュ・コロンビア大学人類学博物館、サイモン・フレーザー大学考古学・民族学博物館・アルバ-タ大学カナダ周極研究所、カルガリ-大学北アメリカ北極研究所、グレンボウ博物館、トロント大学人類学部、ラヴァール大学イヌイット・周極研究部局、マクギル大学北方研究調査センター、カナダ国立文明博物館、連邦政府インディアン問題、北方開発局において調査研究を行った。 これら各研究機関において、(1)各研究機関の設立目的、(2)研究機関の事務・管理機構、(3)研究体制とその実施計画、(4)教育体制とその実施計画、(5)調査研究成果の公開方法(出版物、展示物、講演等)、(6)民族学的/考古学的/言語学的/文献学的収集資料、(7)北方研究の問題点と将来計画、について情報資料を収集、整理した。 以上、6ヶ国において北方文化研究の拠点となる研究機関を対象に調査を実施し、研究の現状についての最新の情報の把握を行った結果、デンマークではグリーンランド・エスキモーの問題、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドではサーミをめぐる問題、カナダではイヌイットおよびインディアンをめぐる問題というように、それぞれの国ごとに個別の問題を抱えるのみならず、研究機関を越えて共通に抱える問題の存在が明らかとなった。具体的には、北方少数民族に対する研究姿勢の問題、北方民族に関する保管資料の当該民族への返還の問題、教育プログラムの充実化の問題、人件費を初めとする経費の問題などである。ただし、経費の問題には、国ごと、研究機関ごとの違いが認められた。特に、カナダの研究機関では経費の削減は大きな問題となっていた。たとえば、ブリティッシュ・コロンビア大学人類学博物館では入場料による収入の確保が重要な問題となっていたし、連邦政府インディアン問題・北方開発局では学生に対する奨学金の削減などが行われていた。これに対し、デンマーク極地センター、ノルウェーのトロムセ-大学やフィンランドのラップランド大学北極センターなどでは、北方研究の拠点の充実化という国家的政策により、経費が比較的恵まれていたことが明らかとなった。 今後、本国際学術研究により構築された国際学術情報ネットワークの活用により、北方地域研究の一層の国際協力と研究推進が可能となるものと考えられる。
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