研究課題/領域番号 |
07041004
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
青柳 正規 東京大学, 文学部, 教授 (40011340)
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研究分担者 |
宮坂 朋 弘前大学, 人文学部, 助教授 (80271790)
渡辺 道治 九州東海大学, 工学部, 助教授 (70269108)
内田 俊秀 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (30132822)
STEINGRABER シュテファン (STEPHAN Stei) 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (00272451)
鷹野 光行 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (20143696)
松山 聡 東京大学, 文学部, 助手 (40272447)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
42,600千円 (直接経費: 42,600千円)
1997年度: 14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
1996年度: 14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
1995年度: 14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
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キーワード | 発掘調査 / イタリア / ローマ時代 / 別荘遺跡 / 床モザイク / 遺構保存 / 青銅貨 |
研究概要 |
発掘調査対象は、ローマの北西約100kmに位置するタルクイニア郊外、ティレニア海に面する海岸に立地するローマ時代の別荘遺跡である。 遺跡の範囲は5000m^2を超えるものと推定される。発掘は、この範囲の中央付近で行い、3年間を通じておよそ800m^2を調査した。 発掘調査は、95〜97の各年度の、7月から10月にかけての概ね3ヶ月の期間実施した。 調査によって、当時の別荘としては大規模な回廊、それに囲まれた中庭、回廊の周りに配された部屋など、別荘の中枢と推定される部分が明らかになった。 この遺跡は大きく以下の五時期に区分できる。 第1期、紀元前1世紀頃と推定される一連の壁体が検出された。 第2期は、紀元前1世紀の末から紀元後2世紀の初頭に比定され、回廊を中心とする建物の基本的ブランが確定した。 第3期は、4世紀頃に比定される。規模と基本的レイアウトは踏襲されるが、周囲の部屋のレイアウトは改められ、多色の大理石を用いた内装となった。 第4期は、4世紀末から5世紀初頭に比定される。大規模な改修作業が、中断されていることから、別荘はこの時期に放棄されたものと考えられる。 第5期は、中世以降の二次的利用をまとめたものである。 また、主要な建物以前の遺構として、紀元前1世紀を上限とする井戸や竈(あるいは窯)なども確認された。 現在までに採集された遺物は、およそ20m^3にのぼる。その内容は、土器片、建築部材を中心に、青銅貨、ガラス製品、骨角製装飾品、各種金属製品など多岐にわたり、現在鋭意整理中である。 調査範囲が限られていることもあり、現在までのところ歴史的に当地周辺に比定されている宿場"Quintiana"との直接の関係を示す成果は得られていないが、当該期における当地周辺地域の社会的、経済的位置づけを知る上での多くの有益な資料が得られた。遺物の整理結果も併せて、今後、成果報告の刊行を予定している。
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