研究課題/領域番号 |
07041026
|
研究種目 |
国際学術研究
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
|
研究機関 | 大阪大学 (1997) 早稲田大学 (1995-1996) |
研究代表者 |
大村 敬一 大阪大学, 言語文化部, 講師 (40261250)
|
研究分担者 |
寒川 恒夫 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (70179373)
岸上 伸啓 国立民族学博物館, 第一研究部, 助教授 (60214772)
ヘンリ スチュアート (スチュアート ヘンリ) 昭和女子大学, 大学院・生活機構学専攻, 教授 (50187788)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
1997年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1996年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1995年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
|
キーワード | イヌイット / 社会・文化変化 / イヌイット語 / 言語変化 / イヌイットゲーム / 生業と食料分配システム / 彫刻 / エスニシティー / イヌイット・ゲーム / ペリ-ベイ村 / イヌクジュアク村 / 古文書 / 歴史 / カナダ政府直轄 / ケベック州管轄 |
研究概要 |
カナダ国北西準州ペリ-ベイ村、ケベック州イヌクジュアク村及びアクリビック村、カナダ国の公官庁、米国アラスカ州フェアバンクス、英国スコット極地研究所において、現在のイヌイット社会で進行している言語、社会、文化の変化と、その変化の社会・文化・政治・経済的背景について調査を実施し、以下の成果を得た。 1,イヌイット諸社会の言語、社会、文化の「伝統」の変化と持続の実態に関するデータが集積された。また、これまで未調査だったぺリ-ベイ村のイヌイット語方言の語〓と文法の基礎的なデータが集積された。 2,カナダ政府管轄の北西準州のイヌイット社会とケベック州管轄の極北ケベック・イヌイット社会の間では、その「伝統」の変化と持続のあり方に相異が確認された。一般に、ケベック州に較べて、北西準州のイヌイット社会では、「伝統的な」社会形態や文化的知識がよく保持されているのに対して、言語の変化が大きい。 3,イヌイット諸社会の間の変化と持続のあり方にみられる以上のような相異が、近代資本主義的世界システムとの接触やカナダ国家への編入の過程などの歴史的経緯の違いと、現在のイヌイット諸社会をめぐる政治的・経済的状況の違いによるものであることが明らかとなった。 4,イヌイット諸社会の「伝統」の歴史的経緯の中で、イヌイット・ゲーム、彫刻、生業活動、食料の分配システムなどが、イヌイットのエスニシティーの象徴として重要な役割を果たしてきたことが確認された。 5,以上の成果より、イヌイット諸社会の変化の実態とその社会・文化・政治・経済的背景を、イヌイット全体やカナダ国というよりグローバルなコンテキストの中で把握する必要が痛感された。今後、イヌイット諸社会の比較調査を継続すると同時に、カナダ国の国家政策とイヌイットの相互関係を具体的に調査する計画である。
|