研究課題/領域番号 |
07041035
|
研究種目 |
国際学術研究
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
森 安彦 国文学研究資料館, 史料館, 教授 (30020613)
|
研究分担者 |
神立 孝一 創価大学, 経済学部, 助教授 (60169795)
大口 勇次郎 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (00017112)
青木 睦 国文学研究資料館, 史料館, 助手 (00260000)
渡辺 浩一 国文学研究資料館, 史料館, 助手 (00201179)
福田 千鶴 国文学研究資料館, 史料館, 助手 (10260001)
安藤 正人 国文学研究資料館, 史料館, 助教授 (90113422)
大友 一雄 国文学研究資料館, 史料館, 助教授 (30169007)
山田 哲好 国文学研究資料館, 史料館, 助教授 (70220390)
丑木 幸男 国文学研究資料館, 史料館, 教授 (60223525)
鈴江 英一 国文学研究資料館, 史料館, 教授 (30259999)
高木 俊輔 国文学研究資料館, 史料館, 教授 (90022186)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
1996年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1995年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
|
キーワード | 日本史料 / イギリス所在 / 史料調査 / ア-カイブズ |
研究概要 |
1,本研究の目的 本研究は、英国に流出あるいは残存している日本の記録史料の所在と保存状況を総合的に調査し、その情報を史料館の「史料所在情報データベース」に組み込んで内外の研究者に広く公開すると共に、原史料の保存管理について英国の史料保存機関に協力していく方法を研究することを目的とした。 2,研究の成果 2年間の研究期間中、英国内の史料保存機関22機関について訪問調査、を行い、その他多数の機関についてアンケート調査を実施した。その結果在英日本史料の所在と現状の全体像がかなりの程度明らかになった。その概要は以下の通りである。 (1)英国に所在する日本史料は、量的には英国図書館東洋インド省資料部をはじめとする比較的少数の機関に集中しており、その中心は、江戸期に日本に滞在した外交官や学者の個人コレクションである。これらについては、記録史料学的観点から比較的詳細な調査目録を作成した。 (2)日本の機関または日本人が作成した記録史料のうち、個人による収集、以外の理由で英国に流出したもの、あるいは英国に残存したものとしては戦時中にロンドンやベルリンの日本大使館から押収されたとみられる外務省記録などを確認できた。それ以外に、従来の通説を大きく塗りかえるような大きな発見はなかった。 (3)しかし同時に、在英日本企業や在英日本公館などの記録史料の所在については、英国内でも、これまであまり本格的に追跡調査されたことがないという事実も明らかになった。したがって、そのような種類の日本史料が英国のどこかに眠っている可能性は依然として否定できないと考えられる。 (4)今回調査を行った機関においては、本研究が調査対象としている記録史料のみならず、和古書、絵画等、日本関係のコレクションを一括して管理しているところが多く、整理方法も機関によってまちまちであるように見受けられた。またそれぞれの機関が作成している日本史料の目録は一般に極めて簡略なものであり、伝来や文書群の構造等の記録史料学的な分析に基づいた本格的な目録作成は、多くの機関とって今後の課題となっていることが判明した。 (5)史料の保存状態はおおむね良好であったが、なかには劣化損傷のはなはだしい史料が修理されないまま雑然と保管されている場合や、不適切な、補修が施されている場合もないではなかった。このような事例に対しては当面必要な処置について可能な限りの助言を行った。 3,今後の課題 (1)研究成果の発表と還元の方法については、詳細な調査目録を付した研究報告書を作成したので、これを広く配布する予定である。報告書の英訳版の作成は、今後の課題として残された。 (2)調査データの「史料所在情報データベース」への入力については、順次作業を進めており、近い将来にはこれを公開利用できるようにしたい。 (3)英国日本史料所蔵機関への今後の協力は、さしあたり、(1)整理と目録作成、(2)保存修復、の二つの面で可能であると考えるが、先方機関からの依頼にもとづいて相互互恵の原則で行う必要があり、具体的には今後の課題である。
|