研究課題/領域番号 |
07041061
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
福田 隆眞 山口大学, 教育学部, 教授 (00142761)
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研究分担者 |
佐々木 宰 北海道教育大学, 教育学部釧路校, 助教授 (40261375)
小平 征雄 北海道教育大学, 教育学部函館校, 教授 (50113668)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | シンガポール共和国 / インドネシア共和国 / 美術・工芸教育 / カリキュラム / 教材構造 / 伝統的美術・工芸 / 教科書 / 教員養成 / シンガポール / インドネシア / 教育課程 / 美術科教科書 / 教材研究 |
研究概要 |
本研究の目的は、シンガポールとインドネシアにおける美術・工芸教育の教育過程、カリキュラム立案のための基礎的なコンゼプト作成である。両国の特色は、伝統的、民族的文化と現代的文化が混在、融合していることである。そうした状況において、美術・工芸教育のカリキュラムや教材構造のコンセプトを作成することは、わが国にとっても国際理解教育、国際交流の観点で有意義であると考えられる。 平成7年度においては、両国の伝統的文化、民族的文化および現代的文化の特性について、美術・工芸の教材化の観点から基礎的な調査を行った。さらに、学校教育における教育過程、教科書、教材についての現状調査を行った。調査対象としては、シンガポールにおいては、教育省附属カリキュラム開発研究所(CDIS:Curriculum Development Institute of Singapore)、国立博物館、アートギャラリー、ラ・サール芸術大学及び芸術家のン・エンテン、イスカンダル・ジャリル、ステファン・レオン等である。また、インドネシアにおいては、教育文化省、国立博物館、陶磁器博物館、ソノブドヨ博物館、バリ博物館、バリ・アートギャラリー、ジャカルタ芸術大学、インドネシア芸術大学、サルジャナヴィヤタ・タマンシスワ大学、芸術教科教員研修センター(PPPG Kesenian:Pusat Pengembangan Penataran Guru,Kesenian)、ジョクジャカルタ芸術高等学校、ジョクジャカルタ工業工芸高等学校、国際協力事業団インドネシア事務所、カソンガン陶芸地区、コタ・グデ銀細工地区である。 平成8年度においては、両国の美術・工芸教育のカリキュラム、教科書の教材構造、現代的要素の教材の調査、及び、小・中学校での教育実践の調査、教員養成課程での美術・工芸教育のカリキュラムと教材の調査を行った。調査対象は、シンガポールにおいては、教育省附属カリキュラム開発研究所(CDIS)、公立・私立小学校、中学校である。インドネシアにおいては、教育文化省、バンドン教育大学、ジョクジャカルタ教育大学、芸術教科教員研修センター、公立小学校、中学校、私立中学校、日本人学校である。 本研究から得られた具体的成果としては、以下のことがあげられる。 (1)伝統文化と現代文化の関連と美術・工芸教育教材の関連性 (2)教育課程の比較考察と教科書作成のためのコンセプト立案 (3)美術・工芸教育と教育行政の関連性 (1)では、シンガポールとインドネシアの伝統文化の保護・保存と美術・工芸教育の役割を明らかにすることができた。また、現代的文化の創造と美術の役割を教育を通して明らかにすることができた。このことは、わが国の美術・工芸教育においても伝統文化の教育と保護・保存、美術文化の創造的教育への試案作成という点で成果が得られた。 (2)では、教育課程を比較考察をすることで、教育全体における美術工芸教育の意義と役割を明らかにすることができた。また、シンガポールとわが国の教科書を資料としながら、インドネシアにおける美術・工芸教育のカリキュラム作成と教科書の教材策定を明らかにすることができた。このことはインドネシアに特定されることではなく、今後、アジア諸国の美術・工芸教育の教育課程の立案、教科書作成のためのコンセプト作成に寄与することが可能である。 (3)においては、美術・工芸教育の学校教育での実施だけでなく、社会教育、生涯教育を通して、教育行政と美術・工芸教育の関連性について、試案作成が可能となった。 さらに、伝統文化の保護・保存と教育の観点から、美術・工芸教育の教材を選定するにあたり、シンガポール、インドネシアにおける伝統文化の美術・工芸教育の最終的調査を行った。また、シンガポール教育省、インドネシア教育文化省の担当者との検討を行った。同じく教材の試案を作成するために、教育省、教育文化省と検討し、教育行政面からの協力を得た。
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