研究課題/領域番号 |
07041110
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
伊藤 重剛 熊本大学, 工学部, 助教授 (50159878)
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研究分担者 |
ラヴァス ヨルゴス アテネ大学, 文学部, 教授
ペンタゾス エヴァンゲリ デルフォイ考古学博物館, 館長
勝又 俊雄 女子美術大学, 文学部, 助教授 (70224475)
林田 義伸 都城高等工業専門学校, 助教授 (00149999)
星 和彦 前橋市立工業短期大学, 助教授 (70269299)
岡田 保良 国士館大学, 古代イラク文化研究所, 教授 (70138171)
両角 光男 熊本大学, 工学部, 教授 (50040449)
青柳 正規 東京大学, 文学部, 教授 (40011340)
堀内 清治 熊本工業大学, 教授 (70040350)
LAVAS Georgos University of Athens, Greece
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1995年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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キーワード | ギリシア / デルフォイ / 古代建築 / 設計法 / 施工法 / 建築技術 |
研究概要 |
1.遺構の実測調査 調査場所 ギリシア、デルフォイ遺跡、アテナ・プロナイア神域 調査対象 ドリス式宝庫、円形建築(トロス)、付属の彫刻 調査期間 平成7年7月14日〜9月18日 調査員 伊藤重剛 他5名 調査内容 〔ドリス式宝庫〕遺構の平面図、立面図を作成するために、遺構の形状および各部材について、縮尺1/20で調査野帳を作成し、実測値を詳しく記録した。また解体されてしまった部材については、縮尺1/5で野帳を作成し、実測値を記録した。実測方法としては、トランシットで基線を引き、これからのオフセットを計る方法をとった。 〔円形建物〕その形状から手計測が困難なため、空中写真による写真実測を行った。これにより、これによって遺構の平面図、およびフリーズ部材2個の実測図を作成した。また、実測データは全て3次元のデジタルデータとなり、図化が非常に容易になり、実測値も正確なものとなった。 〔建築彫刻〕デルフォイの考古学博物館には、これらの建物を装飾していた彫刻の出土品が多数保存されている。今回の調査では、これらについて、文章による記述、写真撮影、寸法の実測をおこなった。 2.遺構現状図面の作成 以上の現地調査のデータをもとに、帰国後、「ドリス式宝庫」について縮尺1/20の平面図、立面図、および解体された大理石部材の縮尺1/5のインキング図面を作成した。また「円形建物」については、空中撮影による写真実測の結果から、立面図および大理石部材2個の図面を作成した。作成図面の総数は合計45枚となった。(科学研究費(一般C)による) 3.本研究の評価および報告書 本研究の価値は、まず第一に、研究の一級資料として遺構のドキュメントを作成したことにある。本研究の結果は、今後何人にとっても、この建物の研究をしていく上での基本データとなるものであり、その意味で評価される。今回の調査による遺構の現況報告として、「Architectural Survey of the Sanctuary of Athena Pronaia at Delphi 1995: Preliminary Report: The Doric Treasury and the Tholos」と題した英文の報告書を作成した。今後の調査による成果を含め、最終的には正式報告書を出版する予定である。また今回の調査に基づく研究結果の一部は、建築学会九州支部の研究報告に発表する。 4.今後の課題と展望 今回の調査では、ドリス式宝庫の解体された部材のいくつか、同じ円形建物のそれについては、実測が終わらなかった。したがって、今後の調査によってこれらの部材を実測し、遺構についての完全な記録を作成する必要がある。また円形建物の平面図についても、現在のところ部材の輪郭だけが描かれているので、次回の調査で石材のテクスチュアを描き込む必要がある。今回の調査結果は、まず発掘者であるフランス隊の調査結果と比較検討されなければならない。そして、調査結果の正当性を確認した上で、新たな視点によって分析を行ない、新しい知見を得る。
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