研究課題/領域番号 |
07041111
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
望月 利男 東京都立大学, 都市研究所, 教授 (80087270)
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研究分担者 |
CARLOS Gutie メキシコ国立防災センター, 研究員
MARIO Ordaz メキシコ国立防災センター, 主任研究員
ROBERTO Quaa メキシコ国立防災センター, 主任研究員
飯田 昌弘 東京大学, 地震研究所, 助手 (50159563)
谷口 仁士 国際連合地域開発センター, 研究員 (20121361)
正木 和明 愛知工業大学, 工学部, 教授 (90078915)
QUAAS Roberto Natural Disaster Prevention Center, Mexico
GUTIERREZ Carlos Natural Disaster Prevention Center, Mexico
ORDAZ Mario Natural Disaster Prevention Center, Mexico
GUTIERREZ Ca メキシコ国立防炎センター, 研究員
ORDAZ Mario メキシコ国立防炎センター, 主任研究員
QUAAS Robert メキシコ国立防炎センター, 主任研究員
QUTIERREZ Ca メキシコ国立防災センター, 研究員
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1996年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1995年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 強震動データベース / 長い伝播経路 / メキシコ盆地の波動場 / 超軟弱地盤 / 微動観測 / 地震危険度評価システム / 構造物の動的相互作用 |
研究概要 |
我々は、メキシコ市の長周期強震動は、盆地の地形や地盤構造に依存した震動特性と、長い伝播経路の相乗効果によると推察し、以下の3つの研究課題を実施した。 『研究課題A』強震動特性の解明: 伝播経路の影響を定量的に評価し、メキシコ市の強震動特性を解明する。研究課題Aは中心的課題であるので、以下の4つのテーマを実施した。 [テーマ1]強震記録データベースソフトウェアを構築する。 [テーマ2]太平洋岸からメキシコ市に至る長い伝播経路の影響を評価する。 [テーマ3]メキシコ市内のアレイ強震記録を解析し、メキシコ市内の波動場を調べる。 [テーマ4]長い伝播経路に沿って微動観測を実施し、その記録を解析する。 『研究課題B』地震危険度評価: メキシコ市における防災に関する基本情報を調査し、上述の強震動特性に基づいて、メキシコ市の地震危険度の新たな評価を実施する。テーマ5を実施した。 [テーマ5]メキシコ市の地震危険度評価システムを構築する。 『研究課題C』軟弱地盤における構造物の応答: 軟弱地盤においては、地盤と構造物の動的相互作用の影響が大きい。テーマ6を実施した。 [テーマ6]メキシコ市の軟弱地盤における構造物の応答を、動的相互作用を考慮して推定する。 以下にテーマ別に研究成果を述べる。 [テーマ1]強震記録データベースソフトウェアの構築 強震記録の基本解析を行なう、ワークステーション上のデータベースソフトウェアを開発した。基本解析は、地震波の積分、フーリエスペクトル解析、応答スペクトル解析、非定常スペクトル解析からなる。太平洋岸からメキシコ市に至る、メキシコ国立防災センターの強震観測網では、1995年9月にメキシコ史上最も質の良い強震動を記録した。主として、この記録の基本解析を実施した。 [テーマ2]長い伝播経路の影響の評価 1995年9月の地震による伝播経路観測ラインの強震記録から、震央距離とともに強震記録の継続時間が延びていく様子がわかった。メキシコ盆地のすぐ外に位置する観測点の記録を見ると、すでに波形が複雑で、その継続時間が長くなっている。また、メキシコ市内のボアホール観測点の記録の基本解析も含め、メキシコ盆地に入射する波の性質が明らかになった。長い伝播経路の影響が大きいことがわかった。 [テーマ3]アレイ強震記録の解析 1993年10月の地震の、メキシコ市内のボアホール・アレイ強震記録の解析を実施した。軟弱な表層地盤により地震動が急激に増幅されること、周期2秒以下の短周期波は実体波であり、周期3秒以上の長周期波は表面波であること、が明らかになった。 幸いなことに、強震観測網が改善され、1995年9月の地震においては、ボアホールとトリパタイトの結合アレイ解析が可能な強震記録が得られた。現在、この解析を実施している。 [テーマ4]長い伝播経路に沿う微動観測と、その記録の解析 1995年11月に、アカプルコからメキシコ市を通りさらにその北方約150kmまでの、総延長450kmに至る経路の20地点で微動観測を実施した。目的は、地盤の震動特性(卓越周期)を調べ、長い伝播経路の影響評価を補完するためである。微動の周期・振幅特性と、強震時の周期・振幅特性や測定地点の地形・地質・地盤との比較を実施した。メキシコ市内、メキシコ盆地周辺、その他の地域、と大きく3分類できることがわかった。 [テーマ5]メキシコ市の地震危険度評価システムの構築 地震危険度評価に必要な地理・地盤・構造物・人口などの基本情報の収集・整理をメキシコ市とコリマ市で行なってきた。現在、これらの情報に階層性・連関性をもたせ、被害推定手法を取り入れた、「汎用型地震危険度評価システム」をワークステーション上で開発した。それらは、(1)地図情報表示システム、(2)最大加速度推定・表示システム、(3)構造物の脆弱性の推定・表示システム、からなる。 [テーマ6]メキシコ市の軟弱地盤における構造物の応答の推定 軟弱地盤における、地盤と構造物の動的相互作用に関する最近の研究を整理し、有限要素法を用いた3次元構造物-地盤系の地震応答解析を実施した。構造物-地盤系に入力する地震動は、ボアホール底で経験的グリーン関数法を用いて適切に評価した。適切な地盤データを使用しており、1985年の大地震の被害をよく説明できた。
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