• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

熱帯アフリカにおけるタイレリア感染症の分子疫学的調査:家畜および野生動物に寄生する原虫の性状検討

研究課題

研究課題/領域番号 07041119
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分学術調査
研究機関北海道大学

研究代表者

杉本 千尋  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90231373)

研究分担者 大橋 和彦  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (90250498)
小沼 操  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70109510)
研究期間 (年度) 1995 – 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
1996年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1995年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
キーワードTheileria / 住血原虫 / アフリカ / 野生動物 / PCR / リボソーム遺伝子 / Babesia / Piroplasm / 分子疫学 / 遺伝子進化 / 野性動物 / 原生動物
研究概要

牛由来Theileria Parvaのシゾント感染リンパ球株樹立と性状解析(主にザンビア大学、国際家畜研究所との共同調査・研究)
ザンビア国内5地域の農場に飼育されていた東海岸熱(ECF)罹患牛から試料を得て原虫株分離を試みた結果、中部州(Kabwe)農場の2検体からシゾント感染細胞が樹立できた。これら2株をケニア(IRLI)に搬入し、Southern Provinceから既に樹立されていた株(Mazabuka株)と合わせDNAプローブによるサザンブロット解析ならびにモノクローナル抗体による間接蛍光抗体法により性状検索を行った。Mazabuka株は、その免疫学的、遺伝学的性状がケニアの牛から分離されたMuguga株(いわゆるT.parva parva)のそれと極めて類似しているが、既知のアフリカバッファロ-由来の原虫型(いわゆるT.parva lawrencei)とは明らかに異なっていることが明らかとなった。このことから,ザンビアの中部/南部州に存在するT.parvaは、牛間で伝播する原虫と考えられた。さらに、中部/南部州由来株と東部州由来株とは明らかに諸性状を異にしていることも明らかにできた(Nambota et al,1996)。また、ピロプラズマとシゾントステージに発現される表面蛋白質(p32およびPIM)遺伝子の解析をPCR-RFLPで行った結果からも、以上の成績が裏付けられた。
T.parva以外の野生動物由来タイレリア・バベシアの比較(主に南ア獣医学研究所との共同調査・研究)
(1)アフリカバッファロ-由来原虫種の遺伝子解析
前年度南アのバッファロ-から得られた原虫DNA試料から、rRNA遺伝子ならびに主要ピロプラズマ表面蛋白質(p32)遺伝子をPCRにより増幅し、その塩基配列を決定した。rRNA遺伝子解析の結果から、バッファロ-血液試料中には、T.parva以外に少なくとも3種のタイレリアの存在が確認された。それらのうち1種は、牛由来良性タイレリア種(T.buffeli)と同一であり、牛-バッファロ-間の感染が成立しているものと考えられた。他2種はバッファロ-固有種と考えられ、牛との間での感染の成立はないと考えられた。それらのうち、1種のrRNA遺伝子塩基配列は既知のタイレリアのそれとは全く異なっており、新種と考えられた。また、バッファロ-固有種の主要ピロプラズマ表面蛋白質(p32)の遺伝子解析から、本種はアジアで見られる牛寄生性良性タイレリアの一群とはやや遺伝学的に離れたところに位置づけられた(角田ら、投稿中),ザンビアで採取したバッファロ-血液DNAからは既存のプライマーによるPCRでは増幅産物は得られなかった。
(2)その他の動物における原虫感染状況の調査
タイレリア感染の見られたセ-ブルアンテロープから樹立されたシゾント感染細胞試料からDNAを得て、遺伝子解析を行った。本種は既にrRNA遺伝子塩基配列から固有種と考えられているが,今回の主要ピロプラズマ表面蛋白質(p32相同分子)の遺伝子解析の結果からも、既知の牛由来タイレリア種とは全く独立した位置づけにあることが確認された(角田ら,印刷中)。
猫科動物(ライオン、チ-タ、カラコル[野生猫の一種])の末梢血液の塗抹標本においてタイレリアもしくはバベシアと考えられる原虫を検出した。これらの多くは未記載、未分類の原虫であり、さらにrRNA遺伝子解析を継続して行い、既知の種との遺伝的関係を明らかにする必要がある。
馬科動物においては、シマウマ末梢血液中にバベシア原虫を検出し、5株についてはその試験管内培養に成功した。これらは、形態学的にウマ由来のBabesia equiと同一原虫種と考えられた。南アのウマ由来Babesia equiについては、主要ピロプラズマ表面蛋白質(EMA-1)遺伝子の解析から、少なくとも4つの遺伝型が存在することが今回の調査で明らかになった。(須藤ら、印刷中)。今調査研究内では、馬由来株との遺伝学的な比較をさらに行うには至らなかったが、野生動物が共存する地域でのウマピロプラズマ感染症の疫学を明らかにする上で、EMA-1遺伝子解析をさらに行う必要がある。

報告書

(3件)
  • 1996 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] Nambota,A.: "Characterization of some Theileria parva stocks from Zambia using monoclonal antibodies" J.Vet.Med.Sci.59-1. 1-4 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Sudo,T.: "Analysis of equi merozoite antigen-1 (EMA-1) gene of Babesia equi" Parasitol.Res.(in press). (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kakuda,T.: "Analysis of major piroplasm surface protein genes of Theileria isolated from African buffalo and sable antelope in South Africa." Vet.Parasitol.(in press). (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Nambota, A.: "Characterization of some Theileria parva stocks from Zambia using monoclonal antibodies." J.Vet.Med.Sci.59・1. 1-4 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Sudo, T.: "Analysis of equi merozoite antigen-1 (EMA-1) gene of Babesia equi" Parasitology Research. (in press). (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kakuda, T.: "Analysis of major piroplasm surface protein genes of Theileria isolated from African buffalo andsable antelope in South Africa." Vet.Parasitol.(in press). (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Nambota,A.: "Characterization of some Theileria parva stocks from Zambia using monoclonal antibodies." J.Vet.Med.Sci.59・1. 1-4 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Sudo,T.: "Analysis of equi merozoite antigen-1 (EMA-1) gene of Babesia equi" Parasitology Research. (in press). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Kakuda,T.: "Analysis of major piroplasm surface proteir genesof Theileria isolated from African buffalo and sable antelope in South Africa." Vet.Parasitol.(in press). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

URL: 

公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi